月食の夕

 1939年(昭和14)5月3日の「月食の夕」(於:大阪市立電気科学館)の案内です。これは、東亞天文協会5月の例会として開催されました。一般公開はされませんでした。

 この月食は、半影食の始めが5月3日21h23.0m、部分食の始めが22h27.4m、皆既食の始めが23h39.6m、食最大が5月4日0h11.3m、皆既食の終わりが0h43.0m、部分食の終わりが1h55.1m、半影食の終わりが2h59.7mでした。遅い時間帯の天文現象だったため、科学館側が参加者の安全を考慮して、一般公開をしなかったのかもしれません。

 「月食の夕」では、16mm映画撮影装置による月食撮影と連続写真撮影が行われました。

 3,4,5の写真に、16mm映画撮影装置が写っています。4の写真の左に写っている女性は、時刻係でしょうか。

(参考文献)

日月食等データベース,国立天文台

天界第217號,東亞天文協会,昭和14年5月25日発行

(写真は伊達英太郎氏天文写真帖,資料は伊達英太郎氏天文蒐集帖より)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • double_cluster

    2023.03.31 02:42

    コメントをありがとうございます。伊達英太郎氏は、東亞天文協会大阪南支部長でした。その後の大阪支部との合流、また伊達氏の健康問題などから、大阪支部長は西森紀久雄氏になったようです。 16mmによる月食撮影は、当時としては画期的なことだったと思います。 私も昨日コンデジで月を撮影しました。短時間で撮影できるコンデジはとても便利です。マンフロットコンパクトライト三脚の記事もよろしければご覧くださいね。
  • manami.sh

    2023.03.30 22:35

    当時の状況を知ることができる貴重な資料です。ここでも、西森氏の撮った写真が残っていますねぇ。 昨日は、天候も良く久々にコンデジ730HSで月を撮りました。