1995年(平成7年)1月17日午前5時46分、兵庫県淡路島北部あるいは神戸市垂水区沖を震源とする、M7.3の巨大地震が兵庫県南部を襲いました。兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)です。
(兵庫区水木通りにあった三菱銀行兵庫支店)
(約600m横倒しになった阪神高速3号神戸線)
人命の損失と共に、建物(特にビルの中層階)の被害も甚大でした。三ノ宮の神戸市役所では、市役所6階が崩壊、5階と7階の間に6階が挟まれる形となりました。
神戸港を中心とする水際でも、震災による被害は甚大でした。
(震災により破壊されたメリケン波止場)
クック望遠鏡が設置されたポートアイランドでも護岸が大破。コンテナ運搬のためのガントリークレーンが軒並み傾きました。また、島全体の液状化が深刻で、地盤が50cmも下がりました。
ポートアイランドのすぐ北側の三ノ宮は、震度7を記録しました。ポートアイランドや神戸海洋気象台でも、震度は6でした。
(震災で転倒大破したニコン15cm屈折望遠鏡)
震源の近くにあった明石市立天文科学館の被害は大きく、塔全体にヒビが入り、屋上の天体観測室では、ニコン15cm屈折望遠鏡が使用不能になりました。奇跡的に、由緒あるツァイス製プラネタリウムは無事でした。
神戸市立青少年科学館は倒壊せず、クック望遠鏡は無事でした。上の写真は、ピラーコンクリート台座に今も残る震災によるひび割れです。
(震災により破損した神戸海洋気象台天体観測ドーム)
かつてクック望遠鏡があった神戸海洋気象台は、庁舎の一部が損壊しました。そのため、神戸海洋気象台は1999年(平成11)、神戸防災合同庁舎に移転しました。2001年(平成13)には、旧神戸海洋気象台の建物はすべて撤去されました。また、神戸市立中央体育館は、たくさんの救援物資や避難者で溢れました。もし、クック望遠鏡の梱包が体育館に残っていたとしたら、どうなっていたことでしょうか。
(参考文献)
兵庫の気象ー空と海を見つめて100年,神戸海洋気象台・財務省印刷局,2001
海洋気象台と神戸コレクション,𩜙村曜著,成山堂書店2010
写真アルバム神戸の150年,山田恭幹,樹林舎,2017
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