東北帝国大学の礼状(加藤助教授・中村助手)
1941年(昭和16)7月10日、東北帝国大学理学部 加藤愛雄助教授より、水路部・秋吉利雄大佐に送られた礼状です。
「拝啓
先日参上の節は 種々御厄介に相成り 有難く厚く御礼申し上げます
日食要図早速御複写御恵送下され 有難く御礼申し上げます
図中誤りあり 誠に申し訳なく 御訂正下され度く 当方御恵実の分は 当方にて適当に訂正して配布致しました (先生に速達を以て御知らせ致しました)
微粒子の速度を1500km/secと測定す→1600km/secに訂正して下さい。
尚 この外に北平は誤りにて北京と御訂正下さいませ
以上 甚だ失礼訂正しました
取りあえず御礼かたがた御わび申し上げます
尚 日食観測に付き種々御配慮下され 有難く厚く御礼申し上げます
今後ともよろしくご指導下され度く 御願申し上げます
7月10日 加藤愛雄
秋吉利雄様侍史」
1941年(昭和16)7月14日、東北帝国大学理学部 中村弘陸助手より、水路部・秋吉利雄大佐に送られた礼状です。
「拝啓 御多忙中お邪魔に上りましたに拘わらず 色々御親切に御指導御世話下さりまして 厚く御礼申し上げます。お蔭様にて無事任務を果たして帰仙致す事が出来ました。松隈先生にも非常に感謝致して居られます。唯先生は時局急な折柄 観測行の出来なくなるやを心配されて居られる様子です。しかし私共一同 非常に張り切ってその準備に全力を盡して居ります。此の上は 最後の一瞬迄 立派な観測結果を得るよう 努力致します。地球物理の加藤助教授に例の船便の事をお伝え致しましたところ 非常に喜んで居られまして 万事宜しくお願いしますとの事でございました。いずれ加藤助教授より直接お手紙のある事と存じます。先ずは取り敢えずお礼迄 敬具 7月14日 中村弘陸 秋吉利雄大佐殿」
(引用)
故秋吉利雄氏保存資料
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