福州沖東引島(上海自然科学研究所 東中秀雄)
1941年(昭和16)8月3日付の、上海自然科学研究所 東中秀雄氏の手紙です。水路部 秋吉利雄海軍大佐に対して、最後まで報告と感謝を忘れない、東中氏の人柄が滲み出ている内容です。
「拝啓 其の後は失礼致して居ります
ロタ中止となりましてより 各方面に接渉 漸く福州沖東引島という燈台のある島へ赴くことが出来るようになりました 往復は上海税関の燈台補給船でいたします この件に就きましては航路部の黒川少佐に殊の他お世話になりました この12日出発 10月3日頃帰海の予定であります
変更地点が定まりましたので 右お知らせ致します 何かにつけお世話になることが多いと思いますが 今後ともよろしくお願い」
「いたします この様に 今までの格別なる御配慮に対し 厚く御礼申し上げます 敬白
昭和16年8月3日夜
東中秀雄
秋吉大佐殿侍史
今日 松隈教授がお見えになり アスターハウスへお泊まりになって居られます 大変お元気です」
「追伸 31日御貴翰拝領いたしました
東北・九大の班も 夫々好都合に参っておる様子 頗る御同慶に堪えません
小生の方も 一時は与那国島にしようかとも考えたのでありましたが 航路部並びに税関の方の御好意で 漸く別紙通り予定がたったのであります
色々御心配下さいまして有難うございます
取り敢えず御礼申し上げます 以上」
(引用)
故秋吉利雄氏保存資料
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