1943年釧路皆既日食(1)

部分日食写真と日食の概況

 1943年(昭和18)2月5日の皆既日食は、中国大陸の牡丹江付近から始まり、ソ連邦の沿海州を経て日本海に出、北海道の札幌・旭川・釧路・厚岸(あっけし)を経て太平洋上に出ました。その後、アラスカ南部からカナダの西端に至り終わっています。

 太平洋戦争の最中で日本軍の情勢は悪化しており、国内旅行も不自由だったため、日本の各研究機関も北海道の釧路、厚岸に少人数が出張しました。

 北海道北西部および本州各地で日出帯食で、食分0.5以上の部分日食が見られました。上3枚の写真は、伊達英太郎氏が大阪で撮影したものです。当日大阪は天候が悪く、辛うじて撮影できた写真と思われます。

(引用)

伊達英太郎氏天文蒐集帖

日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987


中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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