クック望遠鏡の付属品

 2018年11月7日、西村製作所により、クック望遠鏡の定期メンテナンスが行われました。その際、西村製作所から科学館に渡されたのが上記の写真に写っている物です。西村製作所が、ずっと預かり続けていたそうです。それらを、スタッフの方と一緒に点検する機会がありました。1967年(昭和42)に、神戸海洋気象台ドームからクック望遠鏡が運び出された際、25cmレンズと共に西村製作所に託されたクック望遠鏡の付属品だと思われます。まさに、51年ぶりに日の目を見たことになります。

 1,2枚目の付属品は、恐らく測微に用いた物ではないでしょうか。2枚目中央の円の中には、ナイフの刃が2枚見えます。部品全体の大きさは、約30cm×30cm。重さは5~6Kgぐらい。真鍮製です。3~5枚目の付属品はもっと大きく、約45cm×45cm、厚みは約25cm。重さは15Kgぐらいです。これも真鍮製です。乾板ホルダーが同梱されていたことから、写真撮影用の部品ではないかと思われます。「海気No.1」(海洋気象台備品No.1)とありますから、クック望遠鏡と共に輸入された物なのかもしれません。プレートには、「THE CAMBRIDGE AND PAUL INSTRUMENT Co Ltd.CAMBRIDGE LONDON」の文字があります。この会社は、1920年代には、測定用器具などを主に製作していたようです。7枚目は、接眼鏡、アイキャップ、接眼部アダプター、測微部品、天頂プリズム、太陽用のハーフプリズムなどが入った箱です。部品は全て真鍮製です。最後の2枚は、ハーフプリズム。接眼鏡の取り付けは、スリワリ式です。

 整備と共に、これらの付属品の正体や使い方を、今後調べていけたらと思います。

 

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

0コメント

  • 1000 / 1000