昭和9年南洋ロソツプ島に於ける日食観測に派遣せられし顛末(10)
宜を与えたり。
90 食事は洋食卓(12名分)と和食卓とを各別に作り洋食は米国人及各班首脳者を固有席と
し余席は輪番約4日に1日の割を以て充せり。
91 居住は幹事部、春日班及附属班は天幕を用い、他は全部教会堂を使用せしが、各班器械
設置成るに及び1,2名宛は観測場所の天幕に宿直することとなりたり。
92 飲料は生水を呑むことは絶対に之を禁じ、椰子果はロソツプ島所産のものを求むること
は島民の生活に関係あるを以て、トラツクより数百個宛買入れ飲料に供したり。其の他
「ビール」、平野水等を用いたり。
93 衛生状況に関しては下痢患者4名(1,2日にて全快)、眼病2名、蛔虫1名、等を生じたる
も孰れも軽微にして南洋庁より派遣の医官を煩わすこと殆んどなく概ね医療箱にて用を
弁じたり。
94 会計経理
観測に要せし費用に就ては各団体格別に予算を有し、各事情を異にせしを以て、観測隊
全体として支払うべき経費の配分法頗る困難なりき。
諸費の主なるもの次の如し。
(1)コンクリート用砂利及砂採取費 約110円
(69項、予め南洋庁を通じ準備依頼せしもの)
(2)突堤構築費 約200円
(3)島民使役賃金 —————-
(4)ガソリン代 153円
(5)大工(2名)賃金 約120円
(6)軍需部委託購買品代 約270円
(7)平栄丸運賃(往路の分450円文部省に支払、復路の分は南洋庁之を負担することに中
央に於て交渉纏まれり)。
(8)料理人、給仕の給料の7/9(約330円)。之は外国人9名参加の予定を以て傭入れたる
に唯2名となりし為、予約取消7名分を文部省負担とすることに交渉せしもの謝礼金、
接待費等は幹事の裁量に依りて支払い得る様前渡方予め要求せしも文部省の容るる所
とならず。幹事部は全然予算を有せさりしを以て実務に当りては不便を感ぜし点少か
らず、実際上止むを得ざりし費用に就ては立替支払い帰還後文部省に請求せり。
95 観測隊個人の支払に属する食費其の他の計算は複雑多岐にして春日帰航中の8日間幹事は
之に没頭せり。
9 島民との関係
96 ロソツプ島人口約390、男女殆んど同数、内地人在らず。青年団あり団員43名、観測隊の
使役せしは是等青年なり。荷揚の際の居き多数人手を要せし場合にはナマ島及ピース島
より助力を求めたり。給金一日50銭。
97 邦語を解するは伝道師ルーベル及巡警のみにして令達は派遣警官より村長を通じて行わ
れたり。
98 南洋庁に於ては当初建築物造営に着手する際島民に対し、観測隊の来島及其の目的を申
聞かせありしも尚危惧の念を抱き居るものありしを以て、1月28日日曜島民を集め懇親会
を催し、後村長、巡警、ルーベル等を午餐に招待したり。
の容るる所とならず。幹事部は全然予算を有せさりしを以て実務に当りては不便を感ぜ
し点少からず、実際上止むを得ざりし費用に就ては立替支払い帰還後文部省に請求せ
り。
95 観測隊個人の支払に属する食費其の他の計算は複雑多岐にして春日帰航中の8日間幹事は
之に没頭せり。
9 島民との関係
96 ロソツプ島人口約390、男女殆んど同数、内地人在らず。
青年団あり団員43名、観測隊の使役せしは是等青年なり。荷揚の際の居き多数人手を要
せし場合にはナマ島及ピース島より助力を求めたり。給金一日50銭。
97 邦語を解するは伝道師ルーベル及巡警のみにして令達は派遣警官より村長を通じて行わ
れたり。
98 南洋庁に於ては当初建築物造営に着手する際島民に対し、観測隊の来島及其の目的を申
聞かせありしも尚危惧の念を抱き居るものありしを以て、1月28日日曜島民を集め懇親会
を催し、後村長、巡警、ルーベル等を午餐に招待したり。
(引用)
故秋吉利雄氏保存資料
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