2021.05.23 00:34木辺成麿氏(5) ダイニックアストロパーク天究館館長杉江様から、以前、当サイトの木辺成麿氏の写真についてお問い合わせがありました。法衣姿の木辺氏の写真についてでした。最初は、伊達英太郎氏が撮影されたのではないかとお答えしました。しかし、天文写真帖を詳しく調べるうちに、恐らく木辺氏の身近な方が撮影されたのではないかという結果に落ち着きました。 後日、毎日新聞滋賀県版に掲載された、木辺氏についての記事を送っていただきました。お役に立てて、本当に良かったです。(参考文献)木辺成麿氏の愛用の望遠鏡,毎日新聞滋賀県版,2021.5.17
2019.08.06 06:06ダイニックアストロパーク天究館(2) ダイニックアストロパーク天究館には、木辺成麿氏(きべしげまろ、本名:宣慈[せんじ]、1912-1990、真宗木辺派錦織寺21代門主・光学技術者・反射鏡研磨の名人)が、自分用に作製した31cm反射赤道儀が保存されています。 木辺氏は、1933年(昭和8)頃、26cmF9反射鏡(No.67)を自分用に研磨しました。その後、31cm反射赤道儀の機械部分(主・斜鏡なし)の製作を、西村製作所に依頼しています。機械部分の費用が当時の価格で630円でした。現在の貨幣価値に換算すると、126万〜157万5千円ぐらいになります。機械部分の完成は、1934年(昭和9)4月。当初は主鏡セルに中枠をはめて、26cm反射赤道儀として使用していました。翌1935年(昭和10)に...
2019.08.05 02:03ダイニックアストロパーク天究館(1) 2019年8月3日、滋賀県犬上郡多賀町にある、ダイニックアストロパーク天究館を訪ねました。この施設は、株式会社ダイニックの社会貢献事業として、1987年に設立された民間初の公開型天文施設です。天究館創設者は、株式会社ダイニック元会長の坂部三次郎氏(1923-2001)です。坂部氏は、自身が変光星観測者であり、かつては天文学者を志したほどの天文愛好家でした。その坂部氏が、ジャワ日食(1983年6月11日)で天文熱が再燃し、若き日の夢を実現させたのがこの天究館です。 坂部氏が施設のモデルとして選んだのが、白河天体観測所。「白河天体観測所」(藤井旭著、誠文堂新光社)に、その時の様子が記載されています。建物の感じや、屋上に並ぶ小型望遠鏡のコンクリート基部が、...