2022.07.15 09:53倉敷天文台100周年(6) 金星の月面経過の写真がそうですが、伊達資料の写真の謂れが分かると興味が増します。今回の話題もその一つです。倉敷天文台(1)と写真が重複して恐縮です。
2022.04.20 05:40黄道光(2) 1932年(昭和7)10月7日発行の黄道光課通信(17)には、B4用紙5枚に亘って中村要氏の追悼文が掲載されました。すでにご紹介した文もありますが、ここでは全文を掲載します。 1920年(大正9)に発足した天文同好会にとって、中村要氏の逝去は大きな試練になりました。しかし、この事は、1938年の山本一清氏京大退官、そしてその後の東亞天文協会の混乱の端緒であったようにも思います。
2022.04.17 07:16月面図 1932年(昭和7)9月3日、倉敷天文台技師の荒木健児氏から伊達英太郎氏に送られた手紙です。読み取った内容は以下の通りです。 「御手紙をいただきました。 月面図は1枚2銭(現在の貨幣価値に換算すると約14円)ですが、送るのがうるさい(煩わしい?)のです。ともかく1枚同封します。このように折るのは嫌ですから、ボール紙で筒を作って入れる(古賀恒星図を京都から送って来る要領)つもりでいます。 私うっかりして筒の注文が遅れて(予定価格は決まっています)相すみません。 送費が少なくとも4銭(同約28円)いります。これ以上かかる時は、まあいい意味の欠損ですね。 切手は御預かりしています。切手は黄道光課の通信でとてもたくさん入り用ですから(2銭切手)一割増などの必...
2022.04.14 11:59黄道光(1) 古川龍城氏の「黄道光観測法」が「天界」に掲載されたのは1921年(大正10)のことです。古川氏は、すでに1911年(明治44)頃から、黄道光を観測していました。 黄道光は、天球上で太陽近傍を中心に黄道面(地球軌道面)に沿って観測される淡い光の帯のことです。黄道光は、よく晴れた春の夕方の西空や秋の早朝の東の空で観測しやすい天文現象です。黄道面付近には、彗星からの放出や小惑星同士の衝突で生成されたダストが漂っており、それらが太陽光を散乱させます。なお、太陽と正反対の方向で見られるものは対日照と呼ばれます。 天文同好会に、黄道光課が新設されたのは1927年(昭和2)、そして1931年(昭和6)から黄道光課長となったのが、荒木健児氏(1902-1980)です...