1941年(昭和16)10月28日に撮影された火星です。乾板A30。撮影時刻は23:50~55、露出2秒、フィルターNo.3、クオリティーは可〜良です。乾板はOriental.Pan-chro使用 。
木辺氏の写真乾板はこれが最後になります。
木辺氏がフィルターを使った撮影に慣れたのでしょうか、火星表面の描写が鮮やかです。
連載最後に当たって、当時の撮影にまつわる、木辺氏の文章をご紹介したいと思います。
「そしてNo.100号目(木辺氏が製作した100枚目の反射鏡のこと)にいよいよ12インチ鏡(実直径は318mmあった)を作って、翌年からこの鏡面で遊星面や微光変光星の観測に精を出した。そして火星や木星面の写真を撮影したが、感度の低い当時の乾板(当時フィルムは亜流だった)を利用して、ずいぶん苦心したものである。」(星の手帖VOL.22より)
(参考文献)
星の手帖VOL.22,清水勝,河出書房新社,1983,p.15
(写真乾板は伊達英太郎氏保管)
2コメント
2021.08.23 07:26
2021.08.23 05:08