クック望遠鏡の細部(Cooke Telescope Details)

 2022.5.13に撮影した、クック望遠鏡の細部をご紹介します。

 赤緯軸のタンジェントスクリュー式部分微動装置です。赤緯目盛環の巨大さが分かります。

 Here are some details of the Cooke Telescope, taken on 2022.5.13.

 This is a tangent screw type partial fine adjustment device for the equatorial axis. You can see the huge scale ring of the declination axis.

 赤緯微動先端のウォームギア部分です。

 This is the worm gear part at the tip of the fine adjustment of declination.

 赤緯微動のタンジェントスクリュー部のアップです。

 This is a close-up of the tangent screw of the declination fine adjustment.

 巨大な極軸のウォームホイールです。右側に極軸の微動装置(手動)が見えています。赤経の微動は、電動のコントローラーでも行えます。

 This is the worm wheel of a huge polar axis. The fine adjustment device (manual) for the polar axis is visible on the right side. Fine movement of the azimuth can also be performed by an electric controller.

 かつてブラッシャー重錘式駆動装置が載っていた部分です。現在は、裏側に西村製作所製のモーター式装置があります。クック社のロゴがくっきりと見えます。

 This is the part where the brusher dead-weight drive unit used to be. Currently, there is a motorized device manufactured by Nishimura Seisakusho on the reverse side. The Cooke logo is clearly visible.

 ドイツ式赤道儀の錘です。左は固定、右は移動式です。

 German-style equatorial mount weights. The left one is fixed and the right one is movable.

 巨大なピラーと極軸です。モーターからの伝達経路がよく分かります。

 Huge pillar and pole shaft. The transmission path from the motor can be clearly seen.

 製造年は、接眼部に刻まれています。

 The year of manufacture is engraved on the eyepiece.

 中央右のツマミは接眼部固定用、中央左上が微動用(ラック&ピニオン)のツマミです。

 The right center knob is for fixing the eyepiece, and the top left center knob is for fine movement (rack and pinion).

 天体導入用の小型望遠鏡(ファインダー?)です。上右側がピント調節ツマミです。上左の小さいツマミは、ピント固定用です。

 Small telescope (finder?) for astronomical introduction. The upper right side is the focus adjustment knob. The upper right side is the focus adjustment knob. The small knob on the upper left is for fixing the focus.

 鏡筒側には、たくさんの副望遠鏡類が搭載されています。

 A number of secondary telescopes are mounted on the optical tube side.

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • double_cluster

    2022.05.16 08:23

    コメントをいつもありがとうございます。クック望遠鏡は、機械として、見れば見る程凄いなぁと感じます。面白いのですが、西村製作所も昔NISHIMURA &Sons.と名乗っていたことがカタログから分かります。また、公開しますね。伊達氏の資料の貢献度は不明ですが、大阪貝塚の善兵衛ランドには行く必要があるなと感じています。
  • manami.sh

    2022.05.15 21:14

    クック望遠鏡は一度は実物を見たいものです。なかなか行けませんので、写真で紹介してもらうとありがたいです。〇〇&SONS.LTDという会社名は、結構な数があったのかと、思います。&Sonsというのは、伝統を感じさせます。 伊達氏による岩崎善兵衛の望遠鏡の紹介も貴重な資料です。氏の調査は、その後の岩崎善兵衛の研究に活かされているものなのでしょうか。