善兵衛ランド(3)

岩橋善兵衛(6)

 これは善兵衛ランドの展示室にあった、大阪天文地図です。

 岩橋善兵衛(1756-1811)が生きた時代、それは改暦に対する要求が高まった時代でした。8代将軍徳川吉宗(1684-1751)は、天文暦学に興味を強くもっていました。改暦は、その吉宗の悲願でもありました。そして、その改暦(寛政暦)への期待を一心に受けたのが麻田剛立(1734-1799)でした。

 当代随一の天文学者麻田剛立(本職は医師)の元に集った高橋至時(1764-1804、大坂御定番同心)、間重富(1756-1816、質屋当主)は、アマチュア天文家の祖先のような存在ですね。そこに遠眼鏡製作者である岩橋善兵衛、天文時計を製作した戸田東三郎がいました。

 時代がくだり、天文同好会を創設した山本一清氏、そして集ったアマチュア天文家たち、反射鏡研磨の中村要氏、望遠鏡機器製作の西村製作所・五藤光学研究所。共通点を多く見出すことができます。

 

(参考文献)

天文学史,中山茂編,恒星社,1982

天文学人名辞典,中山茂編,1983

(「大阪と天文」は伊達英太郎氏天文蒐集帖より)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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