カルバー32cm反射望遠鏡の斜鏡
今回の話題は、上の写真の斜鏡についてです。
(倉敷天文台100周年(2)の写真の流用で恐縮です😅)
中村要氏の解説で、「完全でない」とされていましたが、現在残っている斜鏡は、それとは別物のようです。
「凹面鏡は有名なカルバーの作で、いつも識者の激賞の的となっている。輸入された時についていた平面鏡は悪質で誰の作とも解らないことは遺憾とされていたが、岡山の阪本工学士により同型のものが一枚作られ、反射鏡の能率を著しく高めた。鍍銀は一年に二回、平面鏡は度々天文台で操作する。いつも二人がかりである。接眼レンズは良質のものがなくすべてワトソン製らしい。」(「天界」165號より引用)
坂本鑒四郎(かんしろう?)氏については、木辺成麿氏の文章があります。
「岡山に坂本鑒四郎氏という人がいた。筆者(木辺氏)が出会ったのは戦後だが、当時相当年配だったから、鏡面作りをしたのは昭和初期だったろう。」
(「日本アマチュア天文史」より引用)
この写真でも坂本姓ですので、阪本姓は誤りなのではないでしょうか。
(引用)
倉敷天文台年報,荒木健児,天界,1935,1(165):117,東亞天文協会
調査報告「法要記録」に見る坂本金弥,坂本昇,岡山県立記録資料館紀要第14号,2019年3月
日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987
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