2025.02.11 02:17倉敷天文臺創立満三週年記念式 上の写真は、1929年11月23日に撮影されました。この日は、「倉敷天文臺創立満三週年記念式」が行われました。「天界」にこの日の記事がありましたのでご紹介します。「倉敷天文臺創立満三週年記念式の報告 主事 水野千里 昭和4年11月23日午後3時から、倉敷天文臺で創立満三週年記念式が挙行せられた。 その対応は次のとおりである。1 開会の辞 水野千里簡単に開会の辞を述べた。回顧すれば、当天文台の創立されたのは、去る大正15年11月21日で、早くも3周年を迎えることになった。その間天文学普及においては預かって若干の功があったが、研究の方面には物足りないことが多いから何とか、方法をつけて、天文台をもっと有効にしたい旨を述べた。2 事業報告 水野主事が開会の辞...
2022.07.15 09:53倉敷天文台100周年(6) 金星の月面経過の写真がそうですが、伊達資料の写真の謂れが分かると興味が増します。今回の話題もその一つです。倉敷天文台(1)と写真が重複して恐縮です。
2022.07.10 05:39倉敷天文台100周年(3) 倉敷天文台の経緯度は、2回観測されました。1回目は、1926年(大正15)11月20日~24日、理学博士山本一清氏・理学士竹田新一郎氏が行いました。2回目は、1934年(昭和9)10月13日〜16日、理学博士山本一清氏・理学士稲葉通義氏・理学士公文武彦氏が行いました。この写真は、2回目の観測の初日になります。 観測の結果、倉敷天文台の経緯度は、東経8h55m4.96s,北緯34°35'33.3"であることが分かりました。 これから、伊達英太郎氏天文写真帖に残された、倉敷天文台で撮影された天体写真をご紹介します。
2022.07.09 08:39倉敷天文台100周年(2) 倉敷天文台のカルバー32cm反射鏡に関する中村要氏の文章を、詳しくご紹介します。「天文同好会倉敷天文台32cm鏡 中村要 この鏡面は口径315mm、焦点距離249cmあってG.Calver108というサインがあり、ガラス材は明らかにCast disk(鋳込み円盤)で厚さは50mmある。 この反射鏡が京都に着いてから二回にわたって地下室の定温の下で鏡面検査を行った。 筆者はこれ程整形の完全な鏡は他に知らない。全く平坦な何一つ欠点のない鏡面である。鏡面で見える特長は明らかに故意に鏡の端が負修正がとってあって、収差をグラフにすれば、極めて平坦である。少なくとも製造者の驚くべき技術の現れである。 筆者がこの鏡面を見たのは15號を終わってからであるが、16號か...
2022.07.06 09:28倉敷天文台100周年(1)〜百周年そしてその先の未来に向けて〜(倉敷天文台HP「くらてん講演21」より) 倉敷天文台は、2026.11.21に創設100周年を迎えます。 日本の民間初の天文台として、1926年(大正15)11月21日、倉敷天文台は創設されました。「天文同好会支部所在地数十ケ所に、民衆的天文台を設けたい」という山本一清氏の理念のもと、大車輪の活躍を見せた水野千里(ちさと)氏。そして、財政的に支援した原澄治(すみじ)氏。幾多の苦難を乗り越え、倉敷天文台は創設100周年を迎えます。 これから10回に亘って、倉敷天文台の歴史を故・伊達英太郎氏天文資料から振り返りたいと思います。
2022.04.17 07:16月面図 1932年(昭和7)9月3日、倉敷天文台技師の荒木健児氏から伊達英太郎氏に送られた手紙です。読み取った内容は以下の通りです。 「御手紙をいただきました。 月面図は1枚2銭(現在の貨幣価値に換算すると約14円)ですが、送るのがうるさい(煩わしい?)のです。ともかく1枚同封します。このように折るのは嫌ですから、ボール紙で筒を作って入れる(古賀恒星図を京都から送って来る要領)つもりでいます。 私うっかりして筒の注文が遅れて(予定価格は決まっています)相すみません。 送費が少なくとも4銭(同約28円)いります。これ以上かかる時は、まあいい意味の欠損ですね。 切手は御預かりしています。切手は黄道光課の通信でとてもたくさん入り用ですから(2銭切手)一割増などの必...