2022.07.15 09:53倉敷天文台100周年(6) 金星の月面経過の写真がそうですが、伊達資料の写真の謂れが分かると興味が増します。今回の話題もその一つです。倉敷天文台(1)と写真が重複して恐縮です。
2022.07.10 05:39倉敷天文台100周年(3) 倉敷天文台の経緯度は、2回観測されました。1回目は、1926年(大正15)11月20日~24日、理学博士山本一清氏・理学士竹田新一郎氏が行いました。2回目は、1934年(昭和9)10月13日〜16日、理学博士山本一清氏・理学士稲葉通義氏・理学士公文武彦氏が行いました。この写真は、2回目の観測の初日になります。 観測の結果、倉敷天文台の経緯度は、東経8h55m4.96s,北緯34°35'33.3"であることが分かりました。 これから、伊達英太郎氏天文写真帖に残された、倉敷天文台で撮影された天体写真をご紹介します。
2022.07.09 08:39倉敷天文台100周年(2) 倉敷天文台のカルバー32cm反射鏡に関する中村要氏の文章を、詳しくご紹介します。「天文同好会倉敷天文台32cm鏡 中村要 この鏡面は口径315mm、焦点距離249cmあってG.Calver108というサインがあり、ガラス材は明らかにCast disk(鋳込み円盤)で厚さは50mmある。 この反射鏡が京都に着いてから二回にわたって地下室の定温の下で鏡面検査を行った。 筆者はこれ程整形の完全な鏡は他に知らない。全く平坦な何一つ欠点のない鏡面である。鏡面で見える特長は明らかに故意に鏡の端が負修正がとってあって、収差をグラフにすれば、極めて平坦である。少なくとも製造者の驚くべき技術の現れである。 筆者がこの鏡面を見たのは15號を終わってからであるが、16號か...
2022.07.06 09:28倉敷天文台100周年(1)〜百周年そしてその先の未来に向けて〜(倉敷天文台HP「くらてん講演21」より) 倉敷天文台は、2026.11.21に創設100周年を迎えます。 日本の民間初の天文台として、1926年(大正15)11月21日、倉敷天文台は創設されました。「天文同好会支部所在地数十ケ所に、民衆的天文台を設けたい」という山本一清氏の理念のもと、大車輪の活躍を見せた水野千里(ちさと)氏。そして、財政的に支援した原澄治(すみじ)氏。幾多の苦難を乗り越え、倉敷天文台は創設100周年を迎えます。 これから10回に亘って、倉敷天文台の歴史を故・伊達英太郎氏天文資料から振り返りたいと思います。
2018.04.28 01:45倉敷天文台(カルバー32cm反射望遠鏡) 2017年8月30日、岡山県倉敷市にある、倉敷天文台に行きました。有名な大原美術館などがある美観地区の南西にあります。天文同好会(現東亜天文学会)の岡山支部は、1920年(大正9年)11月に発足しました。1926年(大正15年)、カルバー32cm反射望遠鏡が購入され、倉敷天文台は民間初の天文台としてスタートしました。カルバー32cm反射望遠鏡設置に際して、中村要氏が開所式の前日まで調整していたという新聞記事が今も残っています。中村要氏が完璧と絶賛し、その後の氏の反射鏡研磨の手本としたミラーですが、現在は望遠鏡から外されて星を見ることはできません。ドーム内の1階は、彗星発見で有名な本田実氏の記念館になっています。予約をすれば、見学は可能です。(追記:中...