1927年頃、中村要氏は、京都帝国理学部宇宙物理学教室助手として、鏡面研磨の研究を行っていました。作製したミラーは、西村製作所の経緯台に搭載されて販売されていました。15cm反射経緯台一式で、現在の貨幣価値に換算すると200万円ほどしたそうです。ミラー裏面には、鉛筆書きで「1927 .7.24西村にて再測定、中村」と書かれていました。再メッキの際、ジオマテック(メッキ業者)で消されてしまったのが心残りです。
ミラー裏面のサイン
中村鏡とクック25cm望遠鏡
2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。
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