JR神戸線三ノ宮駅から市バスに乗り「諏訪山公園前」で下車すると、徒歩約15分で諏訪山公園に着きます。諏訪山の中腹にあたるこの高台は、金星台と呼ばれています。
ここは、1874年(明治7)12月の金星の太陽面経過の観測を、フランス別働隊が行った場所です。上の写真はその記念碑です。
記念碑の裏面には、太陽と太陽面を横切る金星が刻まれています。
当時の日本の天文学の水準はまだまだ低く、外国の観測隊の見学や手伝いをする程度でした。
金星の太陽面経過は約110−120年間隔でしか起こらない極めて稀な現象です。この現象を、地球の南北両半球から同時観測をすることで、太陽視差(つまり地球・太陽の平均距離)が測定できます。そのため、日本各地にアメリカ・フランス・メキシコからの観測隊がわざわざやってきたわけです。
上の写真は明石市立天文科学館に展示されている、フランス別働隊が実際に使用したといわれる子午儀です。
2012年6月6日に起こった金星の太陽面経過です。金星の近くに、プロミネンスや黒点、フレアーが見えます。(コロナド70、セレストロン8-24ズーム、キャノンS95オート撮影)
2022/3/4 金星台は日本天文遺産に認定されました。(認定証と額は、バンドー神戸青少年科学館天体観測ドーム内に掲示されています。)
(参考文献)
日本の天文学の百年,日本天文学会百年史編纂委員会編,恒星社厚生閣,2008
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