1941年中国大陸・台湾・石垣島皆既日食(31)

南洋ロタ島事情(8)上海自然科学研究所東中秀雄氏への返信

 上海自然科学研究所 東中秀雄氏の手紙への、水路部 秋吉利雄海軍大佐の返信です。

 「昭和16年7月14日

 水路部 秋吉大佐

 東中秀雄殿

 ロタへ御出張の件 先日速水兄御上京の折 口頭御伝言申し受け候 本日速達便拝見致し候に付き 仔細取り敢えず御返事申し上げ候

1.速水氏の御話に依り 御一行は3名と承知 横浜丸に特別三等2 普通三等1として申し込みあり 普通三等ならば或いは追加可能なるべきも 特三以上は満員に有之候 不足の御一名分は如何なさるるや 或いは3名にせらるるや否やの所 至急承り度し

2.帰りの便は 今の所まだ郵船より船室の都合付きたる返事に接せず(サイパン丸 10月3日サイパン発申込) 山城丸便は運行せず 愈々(いよいよ)郵船出来ざるときは 海軍御用船便乗方考慮中 要するに帰りの便は 小官に御一任あり度

3.セメントは先方にて入手絶対困難なり 東京に於いても同様 持参せらるるに如かず

4.水路部磁気儀は 方々に貸し出したるもの◯ありて 都合つき兼ねる旨 桑原技師の話に有出候

5.8月26日ロタ着の便は 既に満員にて席なし」

 

東北班も之を利用する筈なりしも余儀なり 横浜丸にて行を共にすることに成りし次第なり

6.今の所一行は

 九大理 伊藤教授 外4

 九大農 鈴木教授 外3

 東北理 加藤助教授外3

7.便船のこと等決定したる上にて 海軍大臣宛出願の手続きを要し候に付 改めて御照会願うべく候

其外は後便を以て申し上べく候 (終)」

(引用)

故秋吉利雄氏保存資料

 

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

0コメント

  • 1000 / 1000