月面クレーター宇宙人名事典

 2024/3/4 6:01に、コンデジで撮影した月(月齢22.9、下弦少し過ぎ)です。2024/2/27に月が赤道を通過し、南半球に移りました。そのため、この日は月の高度が低く、月の写りもよくありませんでした。

 クラビウス(直径225km)の東壁が夜明けを迎えています。

 クラビウス(Clavius,Christopher、1537-1612)は、ドイツの数学者、天文学者、イエズス会士です。Jesuit College天文学及び数学教授(1566)、三角法(trigonometry)、幾何学、天文学の研究、グレゴリー13世の改暦の提案をしました。

 今日の解説は、「月面クレーター宇宙人名事典」に因りました。

 この本の監修をした竹内均氏の文章を引用します。

 「去年(1971年)の春もまだ浅い頃、研究室にいた私のところへ電話がかかってきた。林さん(林 順治氏)と名のられたけれども、私にとってはこれまでに会ったことのない人であった。たまたま手すきの時間があったので、早速大学の方へやって来るようにと言って電話を切った。まもなく林さんが現れた。驚いたことに、数多くの文献と、うず高いカードの山を持ってやって来た。これらの文献やカードは、国会図書館にある資料を基にして作ったものだという。これらの文献やカードを基にして、月のクレーターに名前のつけられた科学者に関する事典を作りたいというのが、林さんの希望であった。私はすっかり度肝を抜かれてしまった。(中略)勧められるままに、カードを繰ってみると、実に行き届いた調べがしてある。」(月面クレーター宇宙人名事典、監修者のことばより)

 この後、竹内氏は、うず高いカードの山を一枚一枚チェックしながら読んでいきました。かなりの時間をかけ、カードを全部読み終えた時には、一種快い読後感が残ったそうです。

 このような、後世に残るお仕事をされた林 順治氏に、心より敬意を表します。

(参考文献)

星空年鑑2024,大熊正美,株式会社アストロアーツ,2024

月の地形観察ガイド,白尾元理,誠文堂新光社,2018

月面クレーター宇宙人名事典,林 順治,林文献社,1972



中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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