2024.03.06 09:02月面クレーター宇宙人名事典 2024/3/4 6:01に、コンデジで撮影した月(月齢22.9、下弦少し過ぎ)です。2024/2/27に月が赤道を通過し、南半球に移りました。そのため、この日は月の高度が低く、月の写りもよくありませんでした。
2022.04.16 08:08海外の天文書籍(1932年) 1932年(昭和7)9月頃、伊達英太郎氏が、海外の天文書籍について丸善?に尋ねたことに対する返信です。担当者(菊池喜久雄氏?)は英語が堪能で、天文にも関心があったようです。
2020.08.08 01:12シュミット・カメラ シュミット・カメラは、リトアニア出身の光学研究者、ベルンハルト・シュミット(1879-1935)が開発した天体用カメラです。反射望遠鏡のコマ収差(光軸外の1点を光源とする光が、像面において1点に収束しないこと)なしの良像範囲を格段に広げた、画期的な発明でした。 シュミットがこの光学系を完成させたのは、1930年(昭和5)でした。そして、廣瀬秀雄氏がシュミット・カメラの情報を入手したのが、1939年(昭和14)です。その後、日本は太平洋戦争に突入し、廣瀬氏のシュミット・カメラ研究も、時代の渦に飲み込まれていきました。 終戦後、東京天文台本館を空襲で失った廣瀬氏をはじめとする天文台職員の仕事は、細々とした業務の再開と、空き地を芋畑にすることとその監視でし...
2019.12.22 02:23星空ハイキング 星がよく見える所に望遠鏡を持って行って、頼りになるのがガイドブックです。私が愛用(まだ全部を見ることはできていませんが)しているのは、「星空ハイキング」です。フィールドで使いやすいように、コピーしてファイルに入れています。 著者は、2008年3月にご逝去された市川利光さんです。この方は、頭の中に星図が再現でき、誰かが望遠鏡を星空に向けていると、「それをもう少し〇〇の方向に向けると、△△が見え、さらにそれを・・・」と人間星空ナビゲーションができたそうです。 この本の特徴は、見たい対象をステップを踏んで、順に探していくところです。市川さんのコメントも楽しく、見てみたい気持ちが高まります。 2000年にコプティック星座館が発行しています。発行者は、奥様の市...
2019.12.01 02:533つのアポロ 本書の題名にある「3つ」とは、アポロ計画を推進した、技術者・宇宙飛行士・科学者のことです。アポロ計画は、ヒーローとして、宇宙飛行士をメディアの前面に押し出しました。しかし、当然のことながら、技術者の存在がなければ、アポロ計画は進展しませんでした。 私は、本書で初めて、マーガレット・ハミルトン(1936-)の存在を知りました。マーガレット・ハミルトンは、アポロのコンピューター・ソフトウェア作成の功労者です。後年、大統領自由勲章を贈られています。MIT(マサチューセッツ工科大学)でコンピュータープログラマーとして働き始めたのは、24歳の時でした。短期間のつもりで仕事を始めた彼女でしたが、1965年には、アポロのフライト・ソフトウェアの統括をするようになり...
2019.11.04 07:03星座の親しみ(山本一清著) 本書は、山本一清氏(1889-1959)が、1921年(大正10)に出版したものの新版(最終版)です。全部で79ページにまとめられた、とても読みやすい内容の本です。 山本一清氏は、京都帝国大学教授であり、花山天文台初代台長でした。また、天文同好会(後の東亜天文学会)の創設者でもあります。山本一清氏がいなければ、中村要氏も天文の世界に入らなかったでしょうし、多くのアマチュア天文家の輩出もなかったことでしょう。 天文詩集となっていますが、主な内容は、星座解説です。ところどころに、古今の詩人の文章が散りばめられています。1921年当時、一般向けの天文関係の書籍は珍しかったようです。それだけに、この本は多くの青少年を虜にし、天文学者や天文愛好家を育てる原動力...
2019.10.27 05:44火星(ピッカリング著) 本書は、1924年(大正13)に発行されました。著者は、W.H.ピッカリングです。兄はE.C.ピッカリングで、1876年から42年間、ハーバード大学天文台長を務めた人物です。 W.H.ピッカリングは、兄の要請で、ペルーにハーバード大学ボイデン観測所を作りました。写真星図のための撮影が主な仕事でした。しかし、W.H.ピッカリングは、その要請に応えなかったようです。 W.H.ピッカリングは、ペルーを去った後、ローウェル天文台(火星観測で有名)の設立を助けたり、ジャマイカに作った天文台で、惑星観測や写真撮影を始めたりしました。国際火星観測連盟の主催者でもあります。(中村要氏も、1924年に国際火星観測連盟のメンバーになり、1931年まで火星スケッチを送って...
2019.08.17 01:35現代天文学史 ~天体物理学の源流と開拓者たち~ 20世紀初頭、日本のアマチュア天文家がどうしてあれほど真剣に天文に打ち込んだのか。私は、そのことをいつも疑問に感じていました。その疑問に、明確な回答を示してくれたのがこの本です。 著者の小暮智一氏(こぐれともかず)は、1926年群馬県桐生市生まれ。1950年京都大学理学部卒業(宇宙物理学専攻)。高校教諭を経て、京都大学助手(理学部宇宙物理学教室)、茨城大学理学部教授(宇宙物理学担当)、京都大学理学部教授(銀河物理学担当)を歴任。退官後、岡山県美星町立美星天文台長に就いておられました。 本書は、4部から構成されています。第1部 天体分光学、第2部 恒星内部構造論と星の進化論、第3部 天空の探索と銀河系、宇宙の構造、第4部 「現代天文学」(日本における天...