ウルトラマンのふるさと

M78,M87,M50,V569,M93,M36,M38,NGC2175

 ウルトラマンの故郷として有名な、M78(NGC2068)星雲です。実際の故郷はM87銀河だったのですが、台本に誤って78と記入されたことは有名です。

 M78星雲は、反射星雲ですので、フィルターの効果はありません。2つの8等星が、サルやネコの目のようです。すぐ近くの反射星雲、NGC2071,2067,2064も見えています。ステファン・ジェームス・オメーラ氏は、「星雲にはとても淡く南方に伸びた部分がある。私が骸骨の手首とよんでいる暗黒星雲状の筋の上をまたいでいる。」と書いているのは、2つの目玉の左上のあたりかと思います。

 こちらが正真正銘、ウルトラマンの故郷M87銀河です。ハッブル宇宙望遠鏡や大型望遠鏡の写真には、中心付近のブラックホールから吹き出すジェットが写っています。かみのけ座からおとめ座にかけての銀河団にある、巨大楕円銀河です。

 M50(NGC2323)は、おおいぬ座のシリウスからθ星の方向に、約2倍伸ばしたところにあります。いっかくじゅう座の散開星団です。ステファン・ジェームス・オメーラ氏は、星団の中心部にいくつかの斑点があり、それは視線方向にあるチリによるものではないかと述べています。冬の天の川にどっぷり浸かった場所にあり、どこまでが星団なのか見分けが付きません。

 IC2177(わし星雲)です。おおいぬ座のα星シリウスの北東約8°、いっかくじゅう座の境界線をまたいで広がっています。大きいので、画面からはみ出しています。右上が顔になります。

 M93(NGC2447)は、おおいぬ座のο星の東約10°に位置する、とも座の散開星団です。全体が三角形をしているのが特徴です。ステファン・ジェームス・オメーラ氏は、全体が、やじりのようだと述べています。

 ぎょしゃ座の散開星団、M36(NGC1960)です。M37やM38よりひとまわり小さいですが、明るい星が多い星団です。Seestarは、散開星団だと5分も露出すれば十分なようです。

 ぎょしゃ座の散開星団、M38(NGC1912)です。暗めの星が多いですが、視直径は大きいです。

 ふたご座η星の南約2°にある、オリオン座の散光星雲NGC2174-5です。NGC2175は散開星団です。この星雲は、モンキー星雲のニックネームが付いています。

 モンキーの顔に見えますね。

(参考文献)

星雲星団ウォッチング,浅田英夫,地人書簡,1996

メシエ天体カタログ,ステファン・ジェームス・オメーラ著 磯部琇三訳,NewtonPress,2000

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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