ローソップ島状記(2)
(2)
ローソップ島に於いては 次の順位に依り 財産の相続を行う 父親死亡せし場合は 父親の遺産は 其の子息に譲らずして 之を父親の弟に譲り 弟は更に其れを 次の弟に譲る 而して 父親に姉妹ある時は 姉妹に於いて之を獲得し 他家に持参嫁いだものとす 父親死亡せし場合は 母親は自己の持参せる財産と子供全部を連れて 実家に帰るものとす 母親死亡せる場合も 子供は母親の持参せる財産と共に 実家に帰るものとす 而して父 親より男子に遺さる財産は 大体椰子1本にパンの木1本位なり 女子は嫁ぐ際に財産少なきを恥辱とする故に 或るべく多く財産を有し得る様 取り計らいし居れり ローソップ島に於ける財産と称すべきものは 家屋 土地 椰子 パンの木なり 椰子の木は1本2ドル パンの木は1本5ドルと算言す
姓名
カナカ族は 全部姓を有せず ローソップ島に於いては クリスチャンネームを附す トラック島に於いては 近来日本人名を附する者多く 一例として次の如きものを掲ぐ 金太郎 清正 義経 フンドシ 腰巻 ビスマルク 而して女子の名には子を附せるものあり ローソップ島伝道師の名前は Raberetと綴り ルーベルトと発音せり
(引用)
故秋吉利雄氏保存資料
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