黒目銀河

M64,M3,M53,NGC2683,M48,M65,M66,NGC3628,2903,M81,M82

 M64(NGC4826)は、かみのけ座α星の北西約5°にあるSb型銀河です。中央部にくっきりと暗黒星雲があるので、「黒目銀河」と呼ばれています。中心核の暗黒星雲の直径はおよそ4万光年。その周りを白い腕が取り巻いているのが分かります。

 ガイドブックには、「黒目部分は30cm以上で見えるかもしれない」とありました。5cmのSeestarでしっかり見えるんですね。

 M3(NGC5272)は、りょうけん座α星コルカロリと、うしかい座α星アークトゥルスのほぼ中間にあります。鋭角三角形の星の並びの中に、スッポリとM3がはまっています。中心部の背後に、無数の星々がひしめき合っているのが分かります。

 M53(NGC5024)は、かみのけ座α星の北東約1°にある球状星団です。M3は視直径16.2'、M53は12.6'です。M3と比べて小ぶりな球状星団です。

 ウィリアム・ハーシェルは、M53を「夜空の景観の中で最も美しい景観のひとつ」と称賛しました。

 シーイングの影響か、個々の星への分離が悪いようです。

 NGC2683(9.8等)は、やまねこ座のSb型の紡錘状銀河です。

 M48(NGC2548)は、こいぬ座のβ星とプロキオンを結んで、プロキオンの方向に14°ほど伸ばしたあたりにある、うみへび座の散開星団です。当初メシエが記録した位置に散開星団はなく、調査した結果、少しずれた位置にあるNGC2548がM48だったという曰くがあります。もう少し露光を長くすると、微光星がよく写ったと思います。

 しし座の後ろ足のつけ根θ星の下にある3つの銀河です。NGC3628の暗黒帯、M66の腕が見えています。ステファン・ジェームス・オメーラ氏は、NGC362を「消えゆく星雲」と言っています。

 しし座の大鎌の先端の星λ星の南約1.5°にある、Sb型の銀河(8.9等)です。腕の広がりがよく分かります。

 M81(NGC3031)とM82(NGC3034)は、北斗七星のγ星とα星を結んで、α星の方向に約2倍伸ばしたところにあります。南北に約40'の間隔で並んでいます。

 M81はSb型の大きく美しい渦巻き銀河です。淡いですが、大きな腕が見えます。

 M82は不規則銀河で、中央部がくびれています。爆発銀河の様子がよく分かります。

(参考文献)

星雲星団ウォッチング,浅田英夫,地人書簡,1996

はじめての「星空ハイキング」,市川利光,コプティック星座館,2000

(続)星空ハイキング,市川利光,コプティック星座館,2000

メシエ天体カタログ,ステファン・ジェームス・オメーラ著 磯部琇三訳,NewtonPress,2000

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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