フクロウ星雲

M97,IC443,NGC2264,4631,4627,4656,4657,4725,3242,3115

 M97(NGC3587)は、おおぐま座β星の南東約2.5°に位置する惑星状星雲で、「フクロウ星雲」といわれています。私は、フクロウの2つの目を見るのが夢でした。

 「フクロウ」という名前は、1848年のロス(184cm大反射望遠鏡を製作したアイルランドのロード・ロス伯)のスケッチから付けられました。「フクロウ星雲」の中心星は14等ですが、写真をよく見るとその存在が分かります。この中心星は、地球ぐらいの大きさしかない白色矮星ですが、「フクロウ星雲」全体を照らしています。

 IC443は、ふたご座μ星とη星にある散光星雲です。はくちょう座の網状星雲と同じ超新星爆発のあとです。形状から、ジェリーフィッシュ(クラゲ)星雲といわれています。

 NGC2264は、ふたご座γ星の南約6°にある、いっかくじゅう座S星を中心とする散開星団と散光星雲です。S星の下に、うっすらと星雲が見えます。もっと露光を長くすればよかったかもしれません。

 NGC4631は、りょうけん座α星とかみのけ座γ星のほぼ中央にあるSc型の銀河です。形状から、「白ながす鯨」といわれています。銀河を斜めに横切る暗黒帯が分かります。NGC4627は4631の伴銀河です。鯨が吹いた潮のようにも見えますね。

 NGC4657と4656は、「ホッケースティック銀河」といわれています。2つの銀河は衝突合体して、将来は1つの銀河に収束するそうです。(引用:sorae.info)

 NGC4725は、かみのけ座β星とγ星のほぼ中央にある31番星の南約2°にある、SBb型の銀河です。中心核を取り巻く腕が、なんとなく見えます。

 NGC3242は、うみへび座μ星の南約2°にある惑星状星雲です。「木星状星雲」といわれています。なんとなく扁平に見えるので、「木星状」といわれると、「なるほど」と思います。見たかった惑星状星雲の一つです。

 NGC3115は、うみへび座λ星の北にあるレンズ状銀河(S0)です。暗黒帯がないので、全体が細く長く輝いて、すっきり見えます。

(参考文献)

星雲星団ウォッチング,浅田英夫,地人書簡,1996

(続)星空ハイキング,市川利光,コプティック星座館,2000

新版反射望遠鏡光学入門,吉田正太郎,誠文堂新光社,2005

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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