花山(かさん)だより

 以前もご紹介した佐伯(旧姓:渡邊)恒夫氏ですが、今回は、佐伯氏から伊達英太郎氏に送られた観測ハガキをご紹介します。

 この当時、佐伯氏は京都大学花山天文台の台員でした。連日の好シーイングに喜びの悲鳴をあげながら、連日火星スケッチを続けられたことが綴られています。クック30cm屈折望遠鏡の性能の高さに加え、佐伯氏の優れた眼力により、驚くほど詳細なスケッチが描かれています。

 一番上のハガキが、1937年(昭和12)6月2日・3日、二番目が5月11日・12日、最後が4月12日の観測記録です。

(ハガキは、伊達英太郎氏保管資料より。)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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