顕微鏡用接眼レンズ(3)(Carl Zeiss pl10× 18👓)

 顕微鏡用接眼レンズ真打の登場です。Carl Zeiss pl10/18です。plはプラン(像が視野全体にわたって平坦)、10は10倍(天体用では250÷10=25、つまり焦点距離25mmの接眼レンズ)、18は視野数(観察対象の18mmの範囲が見える)という意味です。以前も利用したことがある、セカイモンを通して、アメリカから8561円(落札額4292円、セカイモン手数料800円、アメリカ国内配送料1204円、国際送料2265円)で購入しました。スリーブへの取り付け径は30mmです。ヘリコイドによるピント調節機能が付いています。スリーブはアルミ製だと思われますが、幅3mmほどの出っ張りが6本付いています。

 Zeissレンズの特徴は、何と言ってもコーティングの色です。(写真3,4枚目)レンズは、反射光による光の損失が大きく、コーティングをしないと、レンズ1枚につき光線の3.5~8%が失われます。そのため、レンズ表面に薄い皮膜を真空蒸着させ、光線の損失を防ぎます。1935年にレンズコーティング技術を考案したのは、Zeissのスマクラ博士です。その後、発展した多層膜コーティングの技術により、Zeissレンズは1面の光の損失を0.3%に減少させました。Zeissレンズのコントラストの高さや透明感は、コーティングによるものが大きいと思います。

 早速、厚さ0.5mmのアルミ板をリングにして取り付け、簡単なアダプターを作りました。(写真2枚目)そして、月(月齢6.4)を見てみました。

 Zeissレンズは透明感があり、コントラストが高く、いつまでも見ていたい気持ちになります。解像力も高いです。写真5枚目の視野絞りがスリーブ内に入っていましたが、外しても実害はありませんでした。(ただし、スリーブ内の遮光処理は必要です。)見かけ視野が広くなり、この方が快適です。

 アッベの思想を大切にし、研究結果を常に製品作りに生かしているZeiss製品。やはりすごいです。

(参照:「カール・ツァイス 創業・分断・統合の歴史」小林孝久著、朝日新聞社)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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