私はかつて、たくさんの望遠鏡を所有していました。しかし、現在は、GFRP15cm反射望遠鏡と、このNinja-320だけです。かけがいの無いものと、代わりのないものが最後には残るように思います。
Ninja-320(1枚目写真)については、天文ファンならご存知の方も多いと思います。バックヤードプロダクツ社と笠井トレーディングが共同開発したドブソニアン望遠鏡です。最大の特徴は、鏡筒が分割できることと、軽量(GFRP使用)なことです。私が入手した時は、中古で20万円ほどでしたが、最終販売価格は35万円(税込38.5万円)にもなっていました。(2020.3.1現在、Ninjaシリーズは販売終了になっています。)
2枚目の写真のように、3分割できます。左奥が鏡筒後部、右奥が鏡筒前部、手前が架台部になります。鏡筒後部が12Kg、鏡筒前部が5Kg、架台部が4.5Kg、総重量が21.5Kgです。
主鏡の有効径は320mm、焦点距離1450mm、F4.5です。Ninjaシリーズは他に、Ninja-400、Ninja-500がありました。しかし、天頂付近の覗きやすさ、可搬性等を考えると、Ninja-320が一番実用的なように思います。
3枚目の写真は、GFRP15cm反射鏡筒との背比べです。15cm反射鏡筒の焦点距離は1435mmですので、Ninja-320とほぼ同じです。Ninja-320の方の背が低いのは、Ninja-320の方が筒外焦点を長めにとっていることと、セル構造の違いです。
組み立ては、至って簡単です。4枚目写真の黄色シールや、GFRPの継ぎ目を合わせて、ファスナー錠を2箇所パッチンと締めるだけです。鏡筒差し込み部にガタが無いので、組み立てによる光軸の狂いはありません。
主鏡の光軸調整(5枚目写真)ネジは3箇所あります。最初は、それぞれ押し引きのプラスネジが付いていましたが、後で、ステンレスの袋状六角ネジに交換しました。接眼部を覗きながら光軸調整をするのには、袋状六角ネジの方が便利です。
接眼部は、スターライトインスツルメントのフェザータッチフォーカサー(繰り出し65mm)に交換しています。2インチ接眼レンズを使うことが多いので、2インチ延長アダプター60mmを足して使っています。(7~9枚目写真)
ファインダーは、タカハシ7×50mm(暗視野照明)と、英リゲル社のクイックファインダー(笠井トレーディング扱い)を付けています。クイックファインダーは高さがあるので、とても覗きやすいです。
実際に観望していると、頻繁に接眼レンズを交換したくなります。接眼レンズ収納ケースからの出し入れが煩わしいので、接眼レンズキャリー(写真11~13)を作りました。4mm厚の合板に2インチの穴をホールソーで開け、蝶番で架台に固定しました。板磁石をキャリーと架台に貼って、収納時に接眼レンズキャリーが邪魔にならないようにしています。大きな接眼レンズを3個置いても、強度的に問題はありません。
Ninja-320は、観望地で、数分で設置回収ができます。これが、他の機材には代え難いところです。ただ、口径が大きいので、反射鏡の温度順応には時間(特に冬季は)がかかります。温度順応した時の星像は見事です。反射鏡が温度順応するまでは、双眼鏡で星空ハイキングをするのも楽しいものです。
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