北海道皆既日食(4)

新聞記事より

 上2枚の写真は、北海道皆既日食についての大阪毎日新聞号外です。号外が出た日付は、日食翌日の6月20日です。現代のようなネット環境がなかった時代ですから、北海道はやはり遠かったんですね。

 女満別村の東京天文台30cm屈折望遠鏡と日食スタンプです。

 上は、大阪毎日新聞の記事です。北海道各地の外国の観測隊や、満洲・ロシアの観測隊の詳細が記されています。

 1枚目写真の斜里村日食スタンプには、イギリス隊のF.J.M.STRATTON博士の文字が見られます。木辺氏が小山氏に頼んで、このスタンプを入手したようです。2枚目写真は、遠軽の高城氏から伊達氏に送られたハガキです。

 2枚の写真は、読売新聞社社機の遭難記事です。日食写真や記事を運ぶ読売新聞社の飛行機が墜落、幸い乗員は命を取り止めました。時代的なこともあるのでしょうか、新聞記事に命をかけた美談として取り上げられています。(2枚目写真左下は、血糊がついた記事や写真を入れた包み)

 五味一明氏は、1936年(昭和11)6月18日、北海道の幌延村にて皆既日食観測準備中、その前夜に、黒岩五郎氏、古畑正秋氏と共にとかげ座新星を発見しました。

(参考文献)

大阪朝日新聞・大阪毎日新聞・読売新聞(各社共、1936年6月20日記事)

日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987

(写真・資料は全て、伊達英太郎氏天文写真帖及び天文収集帖より)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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