1948年5月9日の金環日食

 1948年(昭和23)5月9日、インドのカルニコバル島・ビルマ・シャム・フランス領インドシナ・ベトナム共和国・中国・韓国・日本の礼文島・ソ蓮・アラスカ準州にかけて金環日食が、アジアのほとんどと周辺の一部の地域で部分日食が見られました。

 この日食は本影錐の先端が地球表面に近いため、金環帯の幅(約2Km)が非常に狭く、金環日食の持続時間(約4秒)も非常に短いことが特徴でした。写真は、礼文島で1948年5月9日11時50分36.2秒に撮影されたもので、ベイリーの数珠(月面の深い谷間から太陽のごく周縁の部分がはみ出している現象)や、プロミネンスが見られます。

 

 大阪の食の始めは、9:57:02、食の最大(食分0.805)は11:23:48、食の終わりは12:56:26でした。太陽活動極大の翌年という事もあり、多数の黒点を見ることができます。

(引用)

天体写真NOW No.3月刊天文ガイド別冊スペシャル,小川茂男,誠文堂新光社,1978

(参考文献)

1948年5月9日の日食,Wikipedia,2022.8.22閲覧

日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987

日月食等データベース,国立天文台

(日食写真は伊達英太郎氏撮影)


中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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