花山天文台

  2017夏・京の旅で、中村要氏が最も愛した花山(かさん)天文台に行きました。花山天文台は、私が中学生の時に訪れて以来、40数年ぶりの訪問です。その当時、天文台の構内は雑草が生い茂り、下界とは違う趣があったことを覚えています。今回は、中村要氏が製作した15cm反射望遠鏡を入手したこともあり、感慨もひとしおでした。45cm望遠鏡(3枚目の写真)ドーム内で、ガイドの男性に中村要氏のミラーのことを伝えることができました。その方はたいそう驚き、鳥肌が立つとおっしゃっていました。無理をお願いして、中村要氏の光学工場になっていた、地下の研究室を見せていただきました。今は図書室になっており、当時の面影はありません。この場所で、中村要氏が反射鏡を研磨しておられたんだと思うと、何とも厳かな思いになりました。半地下の研究室の窓(7枚目の写真)からは、ピッチを溶かす際の強烈な匂いが立ち上っていたそうです。

歴史的望遠鏡バーチャル博物館 - 入口

2009年10月に開館いたしました歴史的望遠鏡を中心にCG復元を展示いたしますバーチャル博物館は、開館以来多くのみなさまにご入館いただき、ご好評を得ました。ありがとうございます。2020年を以って一時閉館となっておりました当館ですが、新たなスタッフの下、再開の運びとなりました。改めてよろしくお願いいたします。  このバーチャルな博物館の案内役として名誉館長にはロス卿こと私が就任しております。また、館長・事務局・学芸員・展示業務担当者として冨田から河村に任が引き継がれました。   花山天文台台湾出張所を復元した建物に、展示スペースはわずか25平米一室の狭いものでございますが、ガリレオからはじまり、ニュートン、ハーシェル、ロス卿、国友一貫斎、新城新蔵、山本一清、中村要、カルバーと日本人も含めそうそうたる陣容の作品を並べました。そして京都に関連する歴史的建造物としての京大天文台も復元展示いたしております。  将来的には江戸時代の改暦に使用された渾天儀、圭表、象限儀などの儀器も展示をおこなうべく準備をすすめております。これからも当館では、展示物にも少しづつ手を加え、みなさまに楽しんでいただけるよう心掛けていきますので、ご期待ください。 2022年5月 バーチャル博物館事務局所在地 〒607-8471 京都市山科区北花山大峰町 京都大学大学院・理学研究科・附属花山天文台内 博物館事務局長 河村聡人 (Email akitodk<@>kwasan.kyoto-u.ac.jp)

www.kwasan.kyoto-u.ac.jp

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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