2017夏・京の旅で、中村要氏が最も愛した花山(かさん)天文台に行きました。花山天文台は、私が中学生の時に訪れて以来、40数年ぶりの訪問です。その当時、天文台の構内は雑草が生い茂り、下界とは違う趣があったことを覚えています。今回は、中村要氏が製作した15cm反射望遠鏡を入手したこともあり、感慨もひとしおでした。45cm望遠鏡(3枚目の写真)ドーム内で、ガイドの男性に中村要氏のミラーのことを伝えることができました。その方はたいそう驚き、鳥肌が立つとおっしゃっていました。無理をお願いして、中村要氏の光学工場になっていた、地下の研究室を見せていただきました。今は図書室になっており、当時の面影はありません。この場所で、中村要氏が反射鏡を研磨しておられたんだと思うと、何とも厳かな思いになりました。半地下の研究室の窓(7枚目の写真)からは、ピッチを溶かす際の強烈な匂いが立ち上っていたそうです。
花山天文台
中村鏡とクック25cm望遠鏡
2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。
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