木辺成麿氏(3)

 1936年(昭和11)6月19日に、北海道で皆既日食がありました。木辺成麿氏は、花山天文台員として観測隊に加わっています。中村要氏もそうでしたが、光学技術者として、日食観測前まで木辺氏も大忙しだったようです。各地の観測隊用に、20cm鏡を4~5面、神戸射場氏用に19cm15°の対物プリズムを1カ月ほどで完了させなければなりませんでした。

(1・2枚目:北海道中頓別における京大及びチェコ班、3枚目:中頓別における皆既日食、4枚目:観測中の木辺氏と小山氏、5~9枚目:木辺氏から伊達英太郎氏への観測先からのハガキ、10~14枚目北海道各地の日食スタンプ、いずれも伊達英太郎氏天文写真帖並びに天文蒐集帖より)

参考文献:日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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