1941年中国大陸・台湾・石垣島皆既日食(8)

台湾・アジンコート

 アジンコート(彭佳嶼,ホウカショ)は、台湾本島の北東、基隆(キールン)市の沖約56Kmの東シナ海に浮かぶ島で、北方三島の一つです。アジンコートという呼び名は、主に西洋で使われていました。

 アジンコートには、台湾気象台班と水澤緯度観測所班が観測の拠点を置きました。

 射場保昭氏の日食撮影用20cm(木辺鏡)反射赤道儀(フォノモータードライビング、17cm対物プリズム付き)を、水沢緯度観測所班(現国立天文台水沢)の服部忠彦氏と平三郎氏がアジンコートで使用しました。この望遠鏡は、戦後東京天文台に移管されました。

(参考文献)

続日本アマチュア天文史,続日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1994,P.277

(写真は伊達英太郎氏天文写真帖,新聞記事は伊達英太郎氏天文蒐集帖より)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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