サンマ銀河

NGC2169,M49,M61,M94,M108,M109,M106

 NGC2169は、ベテルギウスの北東約7°、ξ(クサイ)星の西1°にある小さな散開星団です。カタカナの「ハ」の字の並びが、かわいいですね。

 M49(NGC4472)は、おとめ座ρ星の南西約3.7°に位置するかなりつぶれた楕円銀河です。M49の右斜め下、左斜め下にも銀河が見られます。M49の下の斜めの線は、人工衛星の光跡です。

 M61(NGC4303)は、おとめ座δ星の西約8.4°に位置するSc型の銀河です。銀河を真上から見ているため、腕の巻き具合がよく分かります。中心核の左下の腕が、「く」の字のように曲がって見えます。中心核の右横の星は14等、右45°方向の星は14.5等、左斜め上の微かに見える星は15等です。M61周辺にも、暗い銀河がいくつも見られます。

 M94(NGC4736)は、りょうけん座α星の北北西約3°にあるSbp型の銀河です。中心核を取り巻くような淡い光環のようなものが見られます。これは、1000万年前にM49内で起こった、激しい爆発で吹き飛ばされたものです。ステファン・ジェームス・オメーラ氏は、この銀河のことを「クロコダイルの目」といっています。そういわれると、確かに1400万光年彼方から睨んでいるように見えるから不思議です。

 M108(NGC3556)は、おおぐま座のβ星の南東約2°にあるSc型の渦巻き銀河です。銀河の内部が、もやもやと複雑に見えます。若干M82に似ています。銀河全体が、サンマの頭のように見えます。中心付近の核のように見えるのは、M108の手前にある13等星です。

 M109(NGC3992)は、おおぐま座γ星のすぐ東にあるSb型の棒渦巻き銀河です。淡いですが、渦を巻いている様子が何となく分かります。中心核から上下に伸びているのが「棒」部分です。中心核のすぐ左の星は12.5等です。

 M106(NGC4258)は、おおぐま座γ星と、りょうけん座β星のほぼ中間にある銀河です。腕らしきものが、かすかに見えています。

(参考文献)

星雲星団ウォッチング,浅田英夫,地人書簡,1996

メシエ天体カタログ,ステファン・ジェームス・オメーラ著 磯部琇三訳,NewtonPress,2000

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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