TIEアドバンスト

M100,M95,M96

 M100(NGC4321)は、かみのけ座11番星の南約2°に位置するSc型銀河(9.3等,5500万光年)です。明るい銀河核と、3本の明瞭な腕が見えます。おとめ座銀河団に属する銀河が、M100以外にも多数写っています。かみのけ座からおとめ座にかけては、Mナンバーの付いた銀河が14個あります。

 1993年12月、サービスミッション1を終えたハッブル宇宙望遠鏡(HST)が初めて撮影したM100の銀河中心付近です。青い銀河の中に、黄色の別の銀河があるようにも見えます。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した写真から、渦巻き腕の端に20個のセファイド型変光星が見つかり、宇宙の距離尺度の精度が向上しました。

 M95(NGC3351)は、しし座α星レグルスの東約10°にあるSb型銀河(9.7等,2650万光年)です。M95の高度が高かったのか、風が吹いてSeestarが揺れたのか、或いは露光時間を20秒にしたためか、原因ははっきりしませんが星が一部線状になっています。

 M95は棒渦巻き銀河です。写真からもその構造がよく分かります。ステファン・ジェームス・オメーラ氏は、「M95は、スター・ウォーズに出てきたダース・ベーダーのデス・シップを思い出させる。」と語っています。しかし、それは「TIEアドバンスト」の誤りのように思います。(下の写真が「TIEアドバンスト」)

 

 M96(NGC3368)は、M95のすぐ東にあるSbp型の銀河(9.2等,2650万光年)です。銀河核の左斜め下に、渦巻き腕がかすかに見えています。

(参考文献)

星雲星団ウォッチング,浅田英夫,地人書簡,1996

メシエ天体カタログ,ステファン・ジェームス・オメーラ著 磯部琇三訳,NewtonPress,2000

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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