夏の星雲星団(2)

M8,M4,M22,M11,M24,M71

 今年(2024)は、梅雨入りが遅くなりそうです。今が夏の星雲星団撮影のチャンスですね。

 M8(NGC6523)は、いて座λ星の西約7°にある散光星雲です。「干潟星雲」として有名です。冬のM42(オリオン座大星雲)と星雲の首位の座を争って(星雲は争わない😅)います。楕円形に広がった散光星雲と、散開星団NGC6530との重なりが見事です。暗黒星雲が散光星雲を背景にして見事な眺めです。

 M4(NGC6121)は、さそり座α星(アンタレス)の西1.5°に位置する球状星団(視直径26.3'、5.9等)です。中心部から伸びる微光星の連なりが、渦を巻いているように見えます。

 M22(NGC6656)は、いて座λ星の北東約3°にある球状星団(視直径24.0'、5.1等)です。まだ高度が低かったので、寝ぼけたような画像になっています。M13に勝るとも劣らない姿を、今度は捉えたいところです。かなりひしゃげた様子がよく分かります。

 M11(NGC6705)は、たて座β星の南東約2°に位置する密集した散開星団(5.8等)です。天の川にどっぷりと浸かった星団の様子が見事です。よく見ると、M11の左側に星がよく見えない部分(暗黒星雲)が多数あるのが分かります。

 M24(NGC6603)は、いて座μ星の約3°北のあたりに位置(写真の中央やや左)します。天の川が濃くなっているスタークラウドと呼ばれている場所で、どこを見ても星だらけです。M24を囲むように暗黒星雲が見えています。

 M71(NGC6838)は、や座γ星とδ星の間にある、まばらな球状星団(視直径7.2°、8.3等)です。かつては最も密集した散開星団といわれていました。

(参考文献)

星雲星団ウォッチング,浅田英夫,地人書館,1996

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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