土星環消失

 1936年(昭和11)6月に、約15年ぶりとなる土星環の消失現象が起きました。

 土星環の厚さは、約10~20m程しかないと言われています。環を真横から見た時は、地球からは全く見えなくなってしまいます。この現象のスケッチを、佐伯(旧姓:渡邊)恒夫氏が残しています。当時の写真技術を考える時、環の消失現象を記録するのは、スケッチが唯一の方法だったのかもしれません。

 私はこのスケッチを見て、描写力を含めて、とても美しいと感じました。ちなみに、アンサとは、線状になった環のことです。

(資料は、東亜天文協会遊星面課[伊達英太郎氏所有]より)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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