清水真一氏のハガキ(3)

1933年11月12日(裏面 東京天文台8インチ赤道儀室)

 「御懇書拝謝 御希望に任せ M31引伸 別送仕(つかまつり)候 H18V(M110:この名称は1966年以降定着した)は星雲らしく候も M32の方は殆恒星の様に見え 前便にも申上候通 恒星のエロンゲート(伸び縮み)は甚醜く候へとも 新たに撮影迄 之にて御勘弁願申候 小生明朝上京の筈 流星がお流れなりそうに候 此絵はがきは 本年5月上京の節求(もとめ)候ものなるも 仕上悪しく 更(さらに)色難なきものなから 官製はがきに代へて差出候 静岡県島田町 清水拝」1933年11月12日消印

「32 東京天文台8インチ赤道儀室」

 1933年10月26日に撮影されたM31です。露出70分。「別送仕候」とあるのはこの写真だと思われます。

(資料は伊達英太郎氏天文写真帖より)

*崩し字の解読は、柴田哲男様(三木古文書研究会)にしていただきました。

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

0コメント

  • 1000 / 1000