清水真一氏のハガキ(19)

1936年6月26日 部分日食とペルチャー彗星

 「過日は銀河御恵贈奉謝候 日食当日は当地方は殆と(ど)曇 30余枚撮影の豫(予)定は全くダメ 纔(わず)かに食甚(しょくじん)近くに数葉を撮影せし程度に候 御地其他北海道の快晴 御成功は何よりと喜居候 コメットの撮影続行 ノバの撮影開始 何れも雲天に妨け(げ)られて閉口致居候 敬白 6月26日 清水生」

 「薄雲を透して終に撮写せる部分日食 比食分約7分3厘 昭和11年(1936年)6月19日午後 15時32分 静岡県島田町 知新観象台」

清水真一氏が日食撮影に使用した撮影装置

 「10 cm 屈折鏡 サンダイヤゴナル イコンタ添装 日食撮影に使用のもの」

「コメットの撮影続行」と記された「ペルチャー彗星」の写真とデータ

(1936年5月21日撮影 位置カシオペア座 5/21 23h38m~5/22 0h38m 露出60m)

(資料は伊達英太郎氏天文写真帖より)

*崩し字の解読は、柴田哲男様(三木古文書研究会)にしていただきました。

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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