ロサップ島皆既日食(48)

昭和9年南洋ロソツプ島に於ける日食観測に派遣せられし顛末(3)

        打電せり。之に対する返信としてコーンより11月21日、一行男子4名の氏名を通知し来

　　 れり。之にて事実上婦人乗艦問題は解決せり。尚蘇（ソビエト）国側3名は男子なること

　　 は推知し得るも、尚念の為平山教授より私信を以て、婦人は断わる旨明確に申送れり。

31　12月5日関係者第4回打合せ会あり、文部省側に対して便乗順提出方を督促せり、3, 4日

       内に提出の筈なり。秋吉中佐の事務権限を明瞭ならしめ置く必要を認め日食観測隊幹事

       規定を設け、秋吉中佐を幹事に充つることとなれり。

32　第4回会合に於て相互に承認したる事項次の如し。前覚書第20項以下は従って次の如く確

       定若くは変更せり。

33　観測隊総数41名、傭人8名、陸上派遣下士官兵15名。

34　観測隊中海軍部内者次の如し。（合計8名）

        水路部3（秋吉中佐外2、地磁気関係）

　　 技術研究所5（伊藤造兵少佐外4、電波関係）

35　軍艦春日に便乗願出づべき部外者たる内外国人次の如し。

　　 （合計41名）

　　 東京天文台8　京都天文台9　東京帝大2（物理）京都帝大1（天文）　東北帝大1（天

        文）　逓信省2（技研作業に合同）　米国コーン隊4（1名増加）　米国ジヨンソン隊1

　 　蘇（ソビエト）国プルコバ天文台4（1名増加）　文部省1（観測隊事務補佐）

        船夫7　料理人1

　　（京都天文台と京都帝大と合せて10名、但し相互の員数は異動することあるべし）

36　陸上に派遣せらるることを要する臨時春日定員（合計15名）（打合せ済）

　　 掌電信兵6 　機関科下士官兵9（掌機兵（内火）及掌電気兵）

37　春日行動予定

　　 前覚書第25項の通

38 　陸上設備の為春日に貸与せらるべき兵器次の如し。

　　 （ロソツプに主用す）

　　 3KWガソリン発電機2基（内1基は技研専用）

　　 06KWガソリン発電機4基（内2基オロルツク用）

（引用）

故秋吉利雄氏保存資料