昭和9年南洋ロソツプ島に於ける日食観測に派遣せられし顛末(5)
3 蘇国プルコバ天文台隊は1月6日に至りて蘇国学士院幹事より派遣取消の来電あり、
其の取消は全員なるか数名なるか電文不明に付、外務省を通じ照会せし所、1月15日
春日出港当日朝、全員取消なる旨返電あり。
茲(ここ)に於て外国人は、12月30日迄は9名を予期せしもの、実際数2名となれり。
49 新聞記者の便乗同行に就ては初め海軍省に於て黒潮会内より2名と制限せられたる所、他
社各自の面目上参加希望熾烈なりし為結局7名(7社、社会部記者)に許可を与えらるる
こととなり1月12日小官官房に於て立合へり。
50 水路部よりの派遣員は12月13日附、技術研究所の派遣員は同月18日附、春日便乗依頼方
軍務局に照会。
51 12月26日附官房機密第2503号を以て、日食観測作業に対し連絡及監視の為秋吉海軍中佐
をロソツプに派遣すべき旨、海軍大臣より水路部長に訓令せられたり。
52 内地及南洋群島間の軍用通信に関しては12月28日附横鎮にて取極められたり。(41項)
53 横浜桟橋使用(春日横附)の件軍務局より正式交渉の結果4号岸壁供用の旨回答あり。
(43項)
54 木材、セメント等観測隊が横須賀に於て購買するを便とするものは取纏め軍需部に依頼
して春日に積込むこととせり。又発電機用ガソリンは各班の負担とし、取纏め「ライジ
ングサン」より横濱に於て積込ましむることとせり。
55 糧食は東京に於て買入れたるもの約1200円、横須賀に於て買入れたるもの約500円、執
れも横須賀に於て積込むこととせり。
56 水路部より貸与又は供用したる物大約(おおよそ)左の如し。
天幕、倉庫用及2人用 約30張
竹、板、丸太、薄縁等天幕附属材料一切
折畳寝台、蚊帳、カーバイトランプ
小伝馬船2隻(発動機付)
磁気測量器械及用具一式
57 通信長及機関長主管の貸与兵器前掲の通。(38、45項)
58 其の他海軍各部より借用せしもの大約次の通。
(1)軍需部より主計長を通じ
烹炊具及和洋食器類一式、折椅子類
(2)海軍病院より軍医長を通じ
医療箱 2個
(3)港務部より
中形伝馬船 1隻
(4)春日より
ケンバス風呂 2張。(コンクリート用清水溜)
電球 50個、洗濯桶 3組。
59 前記兵器、需品、糧食並に観測隊器械材料等は左の日取を以て横須賀に於て積込を了し
たり。
1月10日 兵器、需品
11日 水路部、技研、逓信、東天
(引用)
故秋吉利雄氏保存資料
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