昭和9年南洋ロソツプ島に於ける日食観測に派遣せられし顛末(6)
13日 糧食、東天、東大、京大
15日 米国(横濱に於て)
運送は杉山一手(ひとて)に行わしめたり。
60 1月15日出港時確定せし観測隊員氏名附表の如し。
身分 居室 食卓
助教授以上 1人室 艦長室
外国人 同 士官室(別卓)
奏任待遇 士官寝室 士官室
技研員 准士官寝室 昭和7年以前出身の学士は士官室他は第一次室
其の他の学士 右舷学生室 同上
器械手 第二次室寝室 第一次室
記者 左舷学生室 准士官室
外国人食卓には秋吉中佐及伊藤造兵少佐毎日交代に、又士官室士官1名宛毎日交
代に接伴す。
2. 軍艦春日往航中の状況
62 春日は1月15日横浜港4号岸壁に横付し、便乗者乗艦午後3時出港 原速力10節(ノッ
ト)。16日夕方より荒天となり同夜風速29m に達す、18日より天候恢復す。航海中航海
長より観測隊に対し南洋に関する講話、又観測隊の各班は観測計画に就て一夕講演会を
行う。19日観測隊及記者団に対し艦長の午餐の招待あり、23日荷物を後甲板に運び陸揚
実施方案の立附あり。 23日午後8時(10h)ロソツプ西水道外方到着。風波及長涛ありて海
上荒。航程1890浬。
63 之より先航海中春日に於ては、積込荷物の予想外に多かりしことより荷揚作業に関し困
難を予想し、ロソツプ島に「ランチ」を横附し得べき程度の突堤仮設方をトラツク支庁
に無線電信を以て依頼す。
3. ロソツプ上陸の状況
64 1月23日午後8時ロソツプ島外到着、先着の瑞鳳丸(184屯、350馬力)と会合す、トラツ
ク支庁長、瑞鳳丸監督員、警部、支庁書記等来艦せり。然るに波濤大なる為瑞鳳丸は春
日に横附することを肯んぜず、爰(ここ)に於て荷揚方案の実施に大なる齟齬を生ずるに
至れり。幸いにして離島間交通船南洋貿易会社第六平栄丸(1400屯)翌日モルトロツク
よりロソツプに寄港する予定ありし為、春日より一旦同船に荷物を移し、同船を環礁内
に進入せしめて荷揚すべきことに打合せを行い、尚翌早朝陸上偵察を行わんが為午後10
時小官は運用長、東京天文台の2名、京大の2名と共に瑞鳳丸に乗り同夜環礁内に向いた
り。然れども水道入口を発見すること能わず(昼間瑞鳳丸の手にて仮設標識設置しあ
り)危険と認め入港を断念終夜漂泊せり。
65 翌24日未明陸上設備及観測候補地の状況を視察して春日に帰還。瑞鳳丸及春日総短艇を
以て荷揚を開始せり、但し波高くして瑞鳳丸の曳航する短艇曳索切断し、又原速力を用
うること能わずして進捗遅々たり。第六平栄丸は午前10時頃春日位置に到着したる所、
電命を受信し居らずとて一旦環
(引用)
故秋吉利雄氏保存資料
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