昭和9年南洋ロソツプ島に於ける日食観測に派遣せられし顛末(8)
は先着の軍艦春日に移り、荷物は翌朝平栄丸を春日に横附し2時間余
にて転載を終れり。
72 荷物個数往復比較次の如し。
班 往 復
東天 208 150
東大 33 24
技研 130トラツク 102トラツク
70ロソツプ 43ロソツプ
逓信 56 50
京大 82 77
上海 26 20
米国 12 12
73 トラツクに於て観測隊は支庁長主催園遊会、陸上散歩等に時を過し、23日午前9時春日横
須賀に向け出港、航海中は艦内生活の説明、練習生の作業見学、天測実習等を行い又観
測隊各班の日食観測に関する講演会をも一夕催せり。艦長の午餐
会、晩餐会等あり。
74 3月3日午前7時横須賀帰着、荷物積卸し便乗者退艦。春日の都合上横濱を変更して横須賀
とせしことに就ては最初の公約とは相違すれど観測隊員の諒解を求めたり。又外国人荷物
は横濱迄海軍の便にて無料運搬の案ありしも、一律に自弁運送のことに交渉せり。
75 荷物は全部杉山の手にて扱い、其の東京方面行のものは船便となしたり。
7 南洋庁の援助
76 予て南陽庁東京出張所を通じ打合せたる所に従い、又臨時に南陽庁にて設備し或は便宜
を与えられたること次の如し。
77 傭人の傭入
水路部にて世話して同行せし船夫7名は南洋庁の傭人として東京出張所に於て給与を行え
り。(23項)尚料理人及給仕の給与は南洋庁より断わられたり。
78 建物其の他の設備
教会堂を徴用して居住の設備をなす。衝立、机、椅子等の新調。
賄場、物置、浴室、(浴槽3個附)1棟。便所(洋式2、和式4)1棟。発電機室2棟。無線
電信室1棟。暗室2棟。水槽半屯10個、ドラム缶20個。採水用軒桶。(以上12月29日迄に
略完備)是等工事は南貿に請負わしめ、南貿にては予め東京より大工1名、トラツクより
1名を派遣して成りしものなり。
79 突堤構築
(1)教会西方海岸に「リーフ」及土嚢を以て長さ約20mのもの
(2)ロソツプ、レオール間水道の両岸、ロソツプ側に土嚢、レオール側に「リーフ」及土
嚢にて簡単なるもの(以上63項依頼のもの)
80 官吏派遣
(1)警察官 巡査(後巡査部長と交代)1、島民巡警1
(2)医官 トラツク病院長(初8日)、医員(後7日)
(3)観測所長 パラオより出張、気象観測、天気図製作、兼ねて幹事事務を援助、
(引用)
故秋吉利雄氏保存資料
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