昭和9年南洋ロソツプ島に於ける日食観測に派遣せられし顛末(14)
129 新聞記者は極力少人数に止むることを要す。
130 皆既日食に際し天文学的観測は天候に左右せられて失敗する機会多く稍(やや)投機的
の感あるに比し、地球物理的観測(例えば今回の電波及地磁気の如き)は天候の晴曇に
関係なき故に失敗の率少く且是等の研究には今後の観測を待つもの多きが如し。今回観
測の結果が此の方面に刺激を与うることを期待す。
16 附記
131 計画、準備に於て尚不充分なる点ありしにも拘らず、萬事好都合に進行して観測隊も成功
を収め海軍としても所期の目的を達成せり。
132 4月9日文部省に於て最終打合せ会あり。平山信博士、平山清次博士、早乙女天文台長、
小野水路部長、石丸学研主事、秋吉中佐、古川南洋庁事務官、大野文部属出席、秋吉中佐
より口頭、幹事として任務報告をなし、平山信博士挨拶あり。
133 3月6日学術研究会議会長主催観測隊歓迎晩餐会に、小野水路部長及秋吉中佐招待
を受く。
4月9日石丸学研主事主催、準備委員慰労晩餐会にも同様招待を受く。
之に対し4月19日水路部長主催晩餐会を催し
軍務局第一課長(第二課長代理出席) 矢野軍務局局員 小倉水路部第四課長 秋吉水
路部部員 平山信博士 新城博士 平山清二博士 石丸学研主事 古川南洋庁事務官
(不参)金井南洋庁属(前日死亡) 大野文部属
を招待せられ、日食観測成功の祝賀と併せて国防上の見地より本作業の準備に当り海軍に与えられたる各関係者の協力後援を謝する旨の挨拶あり。
附表及附録
日食観測隊員名簿1
地磁気偏差測定報告1
其他省略
(終)
(引用)
故秋吉利雄氏保存資料
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