Sir. J.J.Thomsonと石野又吉氏
宮原 節氏のアルバムには2人の物理学者の写真がありました。
1人はジョセフ・ジョン・トムソン氏(Sir Joseph John Thomson, 1856~1940)。トムソン氏は電子の発見(1897)に貢献し、原子構造の知識に革命をもたらしたイギリスの物理学者です。1906年にノーベル物理学賞を受賞し、1908年にはナイトの称号を授与されました[1]。宮原氏はイギリスのケンブリッジ大学に留学[2]していましたので、トムソン氏との繋がりがあったようです。
もう1人は石野又吉氏(1875-1946)です。石野氏は1918年に京都帝大理学部教授となりました。1913年から1917年にかけてドイツ・アメリカ・イギリスに留学。1916年にキャベンディッシュがいたJ.J.Thomson研究室から「陰極線に関する論文」を発表しています[3]。
宮原氏が留学していた1928年頃、イギリスのケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所には、J.J.トムソンの他、所長のラザフォード(1871-1937)・アストン(1877-1945)・チャドウィック(1891-1974)等の高名な物理学者がいました。日本の物理学者・荒勝文策氏(1890-1973、後の台北帝大教授)も所属していました[4]。
宮原氏が留学した1920年代は、核物理学が発展した時代でした。
(参考文献)
[1]---THE NOBEL PRIZE, Nobel Prize in Physics 1906, J.J.Thomson
https://www.nobelprize.org/prizes/physics/1906/thomson/biographical/ (2025/09/15アクセス)
[2]---宮原 節氏のお孫様談(2025/09/07)
[3]---高山光男(2023),「日本質量分析学会通史」,日本質量分析学会,質量分析(71):
No.3
[4]---吉岡克己(2025),「荒勝文策と日本の原子核実験の夜明け」,大阪市立科学館,大阪市立科学館研究報告(35):19-22
(写真は宮原 節氏のお孫さまにご提供いただきました)
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