THE CARNEGIE ATLAS OF GALAXIES

 今回は、アメリカのカーネギー研究所から、1994年に発行された系外銀河の写真集をご紹介します。素晴らしい写真が多数掲載された2巻の大著です。重量は、第1巻が5.3Kg、第2巻が5.5Kgもあります。サイズは共通で、たて35cm、横44.5cm、厚さは4cm。

 著者は、ALLAN SANDAGEとJOHN BEDKE。本書は、1932年に発行された「シャープレイ・エイムズカタログ」を補足するのが主たる目的で刊行されました。ハッブルの銀河分類システムに従って、1168個の系外銀河の写真と解説が掲載されています。解説は英文ですが、比較的短いのでゆっくり読むと、私でも何となく理解はできます。

 本書の表紙裏には、アメリカ・ヘール天文台(カーネギー研究所は、1970年にウィルソン山及びパロマー山天文台と、ラス・カンパナス天文台とを合わせて、ヘール天文台と改称した)の主要機械の写真が掲載されています。

 開くには腕力(持ち上げるのが重いので(^^))がいりますが、系外銀河の写真を眺めていると知らず知らずに鳥肌が立ってきます。そして、だんだん「宇宙はすごい!」という思いに満たされてきます。

(1枚目写真:1巻の表紙、2枚目写真:2巻の表紙、3枚目写真:ウィルソン山の60インチ[152cm]反射望遠鏡、1908年完成当時は世界最大で、20世紀初頭に星雲と宇宙についての人類の知見を急速に進歩させるきっかけを作った望遠鏡です。4枚目写真:ウィルソン山の100インチ[257cm]反射望遠鏡、通称「フーカー望遠鏡」、1917年に主鏡が完成しましたが、第一次大戦のために工事が遅れ、本格的に観測に用いられ始めたのは1923年でした。先の60インチ、そして100インチを使って星雲を主題として観測したのは、有名なエドウィン・ハッブル。5枚目写真:パロマー山の200インチ[508cm]反射望遠鏡、この望遠鏡は1948年に完成し、「ヘール望遠鏡」と命名されました。かつては、有名な世界最大の望遠鏡でした。6枚目写真:「ヘール望遠鏡」のドーム。ドームの直径は41.76m、高さは41.15m。7枚目写真:ラス・カンパナス天文台の右側がデュポン望遠鏡[リッチー・クレチャン望遠鏡、口径254cmF7.5]、左側は1m Swope望遠鏡、8枚目写真:電波銀河として有名なNGC5128(1982年撮影、露出4時間)、9枚目写真:子持ち銀河として有名なNGC5194/5195(M51、1950年撮影露出20分)。写真は全て「THE CARNEGIE ATLAS OF GALAXIES」カーネギー研究所より、参照:「望遠鏡発達史[下]」吉田正太郎、誠文堂新光社)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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