スーパーマウント

 夏になり、仕事を終えて帰ると、ぐったりしてしまいます。そんな時、月や惑星を見るのには、相当なヨイショが必要になります。「ああ、軽量の経緯台で、赤道儀並みの強度があるもの、設置ポンですぐに撤収できる物ってないかなー。」

 それが、ありました。スーパーマウントです。以前、このサイトhttp://binotechno.com/blog/category/架台/で見た架台です。韓国の盧(の)さんが製作されたので、ノースマウントと呼ばれています。韓国の天文アマチュアの間では、有名な方だそうです。国内ではアイベルが販売しています。まさに、私の望みを果たしてくれそうな架台です。

 「スーパーマウントは超小型ながら抜群の強度を誇るフリーストップ経緯台です。そして驚くべき滑らかな操作性を持ち、高倍率でも微動の必要性を感じないほどです。まったく新しい感覚の天体観測スタイルが始まります。」(アイベルHPより)

 スーパーマウントは2タイプあります。Sは最大積載量15Kg、Mは25Kg。Sの重量は1.95Kg、Mは3.4Kg。Sのサイズ、140×135×75mm。Mのサイズは160×170×95mm。本当に小さいです。共通仕様は、両軸ベアリング内臓、両軸クランプ(フリーストップ調整可)、3/8インチカメラネジ穴、アリミゾ(ビクセン規格)です。

 通常は、アリミゾは別途購入することが多いです。しかし、スーパーマウントには、初めからアリミゾが付いています。試しに手持ちの別のアリミゾに付け替えてみました。しかし、強度やバランスの点でピッタリきません。この点、付属のアリミゾは、とてもよくできています。4本のネジで本体に固定し、バランスがとてもよいです。また、架台の3/8ネジ取り付け面は、5枚目写真のように、6本のネジで本体に固定されています。

 実際に、15cm反射 GFRP鏡筒で使用してみました。鏡筒の前後バランスを取り、上下クランプでテンションの加減を調節しました。驚くほどのスムーズさです。200倍以上で使用しても、鏡筒(153cm、重量約8Kg)の揺れは1~2秒で収束しました。動きはまさに直感的で、見たい方向にそっと動かすだけです。本当に感動しました。実はこのスーパーマウントは貸出品です。注文後、新製品が2019年9月に出るので、それまで旧製品をお使いくださいというアイベルの好意です。

 アイベルによると、新製品は「Sタイプ、Mタイプとも本体サイズ、重量が約20%程度サイズダウンになります。これに対し搭載重量は軸受構造の改良により強度がアップし、搭載重量が約20%以上アップする予定となっております。軸受構造の改良により上下、水平回転の動きもスムーズになります。また、クランプ構造も改良され、固定強度がアップします。上下回転軸の望遠鏡搭載用アリミゾの反対側にはカウンターウェイトシャフトの取付ねじ穴と反対側にもさらに望遠鏡、双眼鏡を搭載可能となるようアリミゾ金具の取付ねじ穴が設けられており、オプションのアリミゾ金具をご購入いただきますと上下回転軸の両端に2つの光学系を搭載することができるようになります。三脚への取付ねじ穴は3/8インチカメラネジで変更ありません。価格は据え置きとなります。」

 スーパーマウントはとても小さいので、三脚等の干渉を避けるためにも、別売りのハーフピラーとセットでお使いになることをお薦めします。

(1枚目:赤のスーパーマウントS、ハーフピラーS、下の銀色の部分はピラー固定金具で販売品でありません。2枚目:アリミゾ固定部分、3枚目:上下クランプ調整ネジ部分、中央はウェイトシャフト取り付けねじ穴(M12)、4枚目:水平クランプネジ部分、6枚目:ビクセンAPP-TL130三脚(3/8アダプター付)に取り付けたスーパーマウントSとハーフピラー、2019年10月より、名称がノースマウントとなりました。仕様も変更しています。)


中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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