望遠鏡と同じ光学機器である顕微鏡については、学校での知識しか私は持ち合わせていませんでした。最近、顕微鏡用接眼レンズをリメイク(取り付け寸法の調整)して、望遠鏡用接眼レンズとして販売されているのをヤフオクで見かけるようになりました。商品説明を読んでいる内に、顕微鏡の世界の驚異的な進歩を知るようになりました。
また、日本顕微鏡工業会の「顕微鏡の歴史」や「顕微鏡の基礎」を読む内に、私は愕然とした思いになりました。天体望遠鏡を取り巻く現状と、比較してしまったからです。
顕微鏡は、産業・研究・医療などの各先端分野と密接につながり、進歩・発展してきました。明治以来、日本はドイツのツァイスやライカの顕微鏡を手本にして、血の滲むような研究・開発を行ってきました。その結果、現在はオリンパスとニコンが、ツァイスやライカにひけをとらず、肩を並べる程になっていることを知りました。顕微鏡用接眼レンズの開発も同様に行われ、各種の収差補正も優秀な状態にあることを知りました。
そこで、顕微鏡用接眼レンズの性能を知るために、ニコンCFW10×接眼レンズ(写真1,2、プレッスル式)をヤフオクで購入しました。なんと3000円でした。顕微鏡用接眼レンズの焦点距離は、250mm(明視距離)を倍率10で割ると出ます。つまり、250÷10=25。この接眼レンズの焦点距離は25mmになります。顕微鏡用接眼レンズのスリーブは23.2mmなので、このままでは望遠鏡には使えません。スリーブ径を24.5mmにするために、0.5mmのアルミ板(大型カッターで切れます)を顕微鏡のスリーブに巻きます。それを24.5-31.7mmアダプター(3枚目写真)に入れることで、アメリカンサイズ(31.7mm径)アイピース(4枚目写真、見口は自作)として使えるようになります。
CF(Chromatic aberration Free system)は、接眼レンズが色収差補正(対物レンズが高倍率になっても)をしている意味です。Wはワイド(広視野)。実際に使ってみると、若干ゴーストはありますが、コントラストが高く、像の歪みもありません。しかも、ハイアイポイントで覗きやすい。やはり、顕微鏡用接眼レンズは高性能でした。
ところで、最近の顕微鏡用接眼レンズのスリーブは、30mm径が多いです。その場合も、0.5mmのアルミ板を巻くことで、アメリカンサイズのアイピースとして使えそうです。うまくいけば、また報告します。
(顕微鏡用接眼レンズは、望遠鏡のF値が大きい方が気持ちよく使えそうです。F7以上がベストかもしれません。F値が大きい方が、接眼レンズに入る光束が細くなるからです。)
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