GFRP15cm鏡筒(その6)

 今回は、GFRP15cm鏡筒の光軸調整についてお伝えしようと思います。前のブログで、光軸が狂いやすいと書きましたが、私の認識不足でした。

 この鏡筒は、主鏡裏の光軸調整用押し引き共用ネジ(写真1,2枚目)が3個ついているだけです。バネの力で、押し引きが出来る構造になっています。一般的な鏡筒では、押しネジと引きネジが別々になっていて、計6個のネジが付いています。

 反射望遠鏡は、主鏡を主鏡セルに固定する時、主鏡への圧迫を避けるために、微妙に主鏡の周囲に隙間を開けて固定します。隙間がありますから、使用する時には鏡筒を傾けるので、微妙に主鏡が動くわけです。最終的に星像を見て、光軸の追い込みをするのが当然ということで、手で簡単に光軸調整をする構造になっていたのです。

 上の固定ネジを手で緩め、下のボルトを回して調整をします。完了すると、上のネジを手で締めるだけです。

 この主鏡セルは、本当によくできています。プロの技は、やはりすごいなと思います。


中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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