2020年3月6日、天王星を見た後、久しぶりに月を撮影しました。冬の月は太陽と逆で、空の高いところを通ります。寒気の影響で、シーイングはあまりよくありませんでした。
満月近くになると、新しいクレーターの光条(こうじょう)が目立ちます。新しいと言っても、コペルニクスは10億年前、ティコは1億年前に出来たクレーターです。大きな隕石などが月面に衝突し、爆発と共に噴煙を吹き上げ、ゆっくり堆積していった様子を想像すると面白いですね。
2枚目写真左すみにあるアリスタルコス付近は、月面でも異常現象がよく見られる場所です。アリスタルコスクレーターのエッジが、とても明るく光っているのが印象的です。
5枚目写真には、たくさんの海が見られます。晴れの海や神酒の海(みきのうみ)には、光条の跡が見られます。これは、ティコが出来た時の光条です。ティコから晴れの海までは、2250Kmあるそうです。日本は東西・南北ともに3000Kmということですから、日本列島の約75%の長さということになりますね。
海の色も違います。特に、晴れの海と静かの海を比べると面白いです。赤っぽい晴れの海と、青っぽい静かの海。月の内部から吹き出たマグマ(玄武岩)の組成の違いによるそうです。
(15cm反射、セレストロン8-24mm、キャノンパワーショットS95コリメート撮影)
(参照:「月の地形観察ガイド」白尾元理著、誠文堂新光社)
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