2020.04.24 22:15花山天文台の46cmカルバー鏡 この文章は、天文研究会・天文同好会大阪南支部(伊達英太郎氏主催)の会報「THE MILKY WAY(1)」(3枚目写真、1932年[昭和7]4月20日発行)に掲載されたものです。伊達英太郎氏が、同会の顧問であった中村要氏に、執筆を依頼したものだと思われます。 中村要氏が亡くなるのが、同年の9月24日ですから、最晩年の貴重な文章です。「花山天文台の46cmカルバー鏡」 花山天文台 中村 要 この反射望遠鏡は、現在花山に据え付けられているが、実は山本博士の私有物なのである。製...
2020.04.18 00:45ソーラースコープ ジズコ(テレビュージャパン)が販売している、白色光太陽望遠鏡です。太陽黒点や日食の観察が、気軽に、そして安全にできます。 望遠鏡と凸副鏡以外は、ダンボールで出来ています。驚く点は、その軽さ(1000g)です。 写真のソーラースコープは、グループ観察用で、大きさは600×450×380mmです。 太陽を投影していると、地球の自転のため、太陽像がどんどん動いていきます。子供たちに見せると、「おーっ」と、驚きの声があがります。ソーラースコープは、地球自転観察用望遠鏡でもあるんですね。 テレビュー社創設者のアル・ナグラー氏は、「良...
2020.04.12 09:47月齢10.7 仕事をしていると、望遠鏡を出して月を見たり写真を撮ったりするのは、どうしても週末などになってしまいます。同じような月齢の写真ばかりご覧に入れ、申し訳ありません。 ただし、今回は拡大率をいつもより上げて撮影してみました。シーイングはやや良でしたが、時間が立つにつれ、気流の乱れは大きくなりました。 1枚目の写真と、それ以外の写真とは色調が違います。シャッタースピードの差によるものかもしれません。 2枚目の、雨の海の溶岩の色の違いが印象的です。虹の入江東部付近(ヘリコンやルベリエ辺り)は青っぽく、それ以外は赤っぽく見えます。虹の入江東部付近は、溶岩流が分厚く堆積している所でもあるそうです。(参照:「月の地形観察ガイド」白尾元理著、誠文堂新光社)
2020.04.11 12:29Ninja-320用クーリングファン Ninja-320(笠井トレーディング販売終了)用のクーリングファンを入手しました。Ninja-320は、反射鏡の直径が32cmあります。観望地に行って、すぐにNinja-320の筒口を開けて外気に晒すのですが、星像が安定するのには、冬場は最低でも約2時間かかります。 私は1度の観望時間は2~2.5時間(集中すると頭がボーッとするので)と決めていますので、いつも観望終了の時刻が一番星像がよくなる時刻となり、歯痒い思いをしていました。 このクーリングファンは、Ninjaシリーズと同じバックヤードプロダクツの製品です。Ninja-320の主鏡裏に被せて使います。製品の品質がとても高いので、完璧に主鏡裏を覆います。 12V電源をどうしようかと考えた時に思い...
2020.04.04 07:48「天界」No.140(故中村要氏追悼号)その4追想 花山にて 島本一男 「中村氏は、本当に星を愛し、本当に天文が好きだった人であります。氏の特技がレンズ磨きであったことは周知のことです。けれども、氏のレンズ磨きは、レンズの完成が目的ではなくて、これによって星を見るためだと繰り返し言われた言葉に深い感銘があります。 氏は、自分の仕事におそろしく自信のある人でした。それは、涙ぐましいまでに努力することによって、自己の中にいささかの淋しさをも留めぬ心強さのある自信でした。氏の作られたミラーやレンズは、私の聞いた限り、一つ一つが傑作と人々から言われ、自らも「よくできたと喜んでいます。」と公言されるものでありました。本当に、字義通りに玉を磨く人であったのでしょう。 中村氏は、何と言っても大勉強家でありました...