2021.07.03 06:30クック物語(1) 私は、バンドー神戸青少年科学館の観測室を訪れるたび、いつもクック25cm屈折望遠鏡に畏敬の念を抱きます。その理由は、かつてのイギリスの名門望遠鏡メーカーが製造した、世界的にも希少な望遠鏡であることはもちろんです。しかし、それ以上に、幾多の苦難を乗り越えた偉人が、そこに存在しているように感じるからなのです。 これから8回にわたって、この望遠鏡がたどった、波乱に満ちた生涯をお伝えします。
2021.07.03 06:29Cooke's Tale 1 Whenever I visit the observation room of the Bandoh Kobe Science Museum for Youth, I am always in awe of the Cooke 25cm refractor telescope. The reason for this is, of course, that it is one of the rarest telescopes in the world, manufactured by a once prestigious British telescope manufacturer. But the other reason is that a g...
2021.07.02 12:06クック25cm屈折望遠鏡(10" Cooke Refractor Telescope) 兵庫県神戸市中央区の人工島「ポートアイランド」。その中に、バンドー神戸青少年科学館があります。ここにはかつて海洋気象台(神戸)に設置されていた、Cooke&Son's社製(イギリス)25cm屈折望遠鏡があります。当時のCooke&Son's社の天体望遠鏡は、性能面で世界一流でした。価格も非常に高く、現在の貨幣価値に換算すると、約1億5千万円(*)に相当します。現在、日本国内に輸入された屈折望遠鏡では、この望遠鏡は3番目に古いものです。1番目は、1880年頃輸入された、トロートン&シムズ社製20cm屈折望遠鏡(イギリス)。現在、国立科学博物館に展示されています。国の重要文化財です。2番目は1910年に輸入され、京都大学に導入さ...